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参加者は参加者で救う! 山笠振興会が医療関係者向けの救命処置講習会を開きました

雲一つない青空が広がった、5月17日(日)。博多祇園山笠の準備期間初日である6月1日を2週間後に控え、櫛田神社の櫛田会館では博多祇園山笠振興会が『医療関係者向け救命処置講習会』を開きました。

この救急処置講習会は、昨今の酷暑化や3年前の追い山笠での痛ましい事故を受けて、安全・安心の祭りを目指す事を目標に、昨年より始められました。昨年は6月末に開催しましたが、周知のことも考え今年は一ヶ月早い5月に実施。今年は各流に参加する医療関係者に呼びかけ、昨年よりも多い約35名が講習会に参加しました。
今回は、流の垣根を越えて医療従事者や薬剤師、衛生士など医療に携わる人たちが情報交換や交流を深める団体「七流会」も参加。山笠に参加する医療従事者らの立場からの知見や意見が加えられました。

会は二部構成で、前半は今年の新しい取り組みの説明と審議、後半は救急処置法の講習となっています。

開会に先立ち、博多祇園山笠振興会の川口俊二会長が「安全対策の強化と医療従事関係者との連携を図り、安心安全・人命第一を心がけて無事山笠を奉納をしたいと思っていますのでご協力をお願いします」と挨拶。引き続いて2023年に制定した「博多祇園山笠事故 再発防止の安全対策」が読み上げられました。

引き続き、今年の取り組みについて博多祇園山笠振興会と福岡市から説明が行われました。

まず博多祇園山笠振興会は、各流に所属する医療従事者の把握のために医療従事者リストを作成。その上で、参加者が参加者を救護する目的の「救護」腕章を各流の登録済み医療従事者に配布。腕章を付けた医療従事者は、山笠コースにて参加者が怪我や事故、体調不良等で動けなくなった場合、その場に立ち会い救護判断や指示を行い、救護対応、応援要請、救急車要請のフローに関わって迅速な対応と救命処置のスムーズな連携を行い、流の垣根を越えて皆で該当参加者の命を守る対応を行ってほしい事の要請が行われました。

なお、この救護腕章は、山笠参加者が山笠参加者を救う目的としているため、沿道の見物客の方で体調不良が発生した場合は、サポートする事はありますが、あくまでも沿道側は基本的に沿道の警備員などが対応する事が確認されました。

福岡市からは、昨年も行った7月12日の追い山笠馴らし、13日の集団山笠見せ、15日の追い山笠で、山笠ルート上にAED(自動体外式除細動器)を設置する事を説明。12日と15日はAEDを21か所、AED担当者を5か所に配置。13日は4箇所にAEDとAED担当者を配置します。(山笠ルート上にはAEDを設置している場所は数々ありますが、ビル内やオフィス内にあったり、また、行事開催日や開催時間によってはすぐに持ち出せないこともあるため、福岡市と医師らが協議し安心安全な祭りを目的にすぐに使えるAEDを用意しました)。

また、緊急連絡を受けたら、腕章を付けた参加者とAED拠点が連携し迅速に救護に当たる仕組みについても説明が行われました。

「七流会」の梅野医師は、振興会には山笠参加者として参加、そして医療従事者として参加、という点について理解を求めた経緯を説明しました。

質疑応答の時間では、医療従事者から様々な質問や意見が発表されました。すでに各流や各町ですでに機能している医療体制や緊急時の対応との兼ね合い、緊急時は役職を越えた指示の問題、緊急車両ルートの検討など、現場からの視点で様々な意見が上がり、人命に関わる事もあり長時間熱い議論が交わされました。

最後に、長年櫛田神社の境内救護班として携わる内田医師が「私は境内救護班ではあるが、いつも道中に事故やアクシデントなどが起きたらどうしたらいいのかと考えていていました。今年も福岡市役所様がAEDを設置してくれましたので、今年もこのような仕組みを作り上げる事ができました。そこに腕章を付けた皆様がご協力していただけるという事に、大変感無量でございます。これからは救援・救護だけでなく、災害が発生した時などにも安全を守れるような仕組みになって行けたらと思います」と挨拶しました。

最後に、皆で博多手一本を入れて今年の取り組みを全員で了承。今年のさらなる安全対策は、この場で決まった方針で行われる事となりました。

引き続き、白井医師、内田医師による救急処置講習が行われます。AEDトレーナーセットが用意され、スライド講習と実演を交えて行われました。

大事なことは、心臓マッサージ(胸骨圧迫)を『正確に、有効に、絶え間なく』加える事。そして、AEDを『安全、確実、迅速』に使用できる事です。医療従事者の参加者は真剣に聞き入ります。

心臓マッサージは胸の下を真っすぐに、力を入れて押して戻すを1分間に100回から120回行う事。会場にピッピッとカウントを示すアラームが鳴る中、参加者は心臓マッサージを行います。力を入れて心臓マッサージするはかなり体の力を使って押す必要があるため、30秒ごとに素早く入れ替わり心臓マッサージを学んでいきます。「これは結構しんどいわ・・・!」と心臓マッサージを行った参加者が漏らします。
AEDを交えての実践練習も行われ、心臓マッサージ→AED→心臓マッサージ→AED→・・・と絶え間ない処置をチームで行います。「人工呼吸はどの段階で行うべきですか」などの実践的な質問が飛び交うなど、参加者はアクシデント発生を想定しながらのトレーニングを重ねました。

最後に、柳澤医師から「博多祇園山笠における頸椎損傷」というテーマで、もし頸椎損傷が発生しうる状況の説明や、事故が起きた場合などの対処法の講習が行われました。

頸椎損傷の疑いのある症状や処置方法が説明され、他の参加者が過去に出会った同類ケースの報告からの知見が共有され、参加者は真剣な表情でメモを取りながら講習に聞き入っていました。

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