舁き山笠が博多エリア(博多部)を飛び出して天神エリア(福岡部)に舁き入れる唯一の日が、7月13日の「集団山笠見せ」です。その名の通り、7つの流すべての舁き山笠が、福岡市役所前に作られた特別桟敷席を目指します。天神エリアで舁き山笠の運行を見る事が出来るのはこの日だけです。
7月13日の午後3時半から始まる集団山笠見せは、日中ということもあってコースとなる明治通りには多くの見物人が集まります。沿道は開始の1時間~30分前には埋め尽くされてしまいますので、よい場所で見たい方はそれより前に見物スポットで待つようにしましょう。
集団山笠見せでは、福岡市長や福岡県知事、地元財界の要人、福岡にゆかりのある著名人、有名人など多数の地名士が台上がりをしますので、山笠の待機場所である呉服町交差点付近は多くの人でごった返します。移動するのも困難なほどなので、通行する際は注意が必要です。
舁き山笠は福岡市中心部の幹線道路「明治通り」を、呉服町交差点から福岡市役所に向かって次々とスタートします。歩道の幅が広い事もあり、どのスポットからも安全に舁き山笠の勇姿を楽しむことができます。
その中でも、博多エリアと天神エリアを繋ぐ大きな橋『西大橋』は、向かってくる舁き山笠がきれいに見える事から、毎年報道関係者やアマチュアカメラマンが数多く集まります。それだけいい絵面が撮れるスポットなのですが、人が多いうえ、カメラマンの脚立で邪魔されることが多いので良いスポットの場所取りは熾烈を極めますので注意しましょう。
西大橋は弧を描くような緩やかな『坂』となっていますので、舁き山笠はそれを越えようと手前で加速し、その勢いを保ったまま西大橋を渡ります。つまり、西大橋を渡り切ったポイントは、集団山笠見せのコース中もっともスピードの乗った舁き山笠の姿を見る事ができるうえ、本来博多の地域から出る事はない舁き山笠が「福岡部」に入る瞬間に立ち会えるという点からも、ぜひ見てもらいたいお勧めのポイントです。
集団山笠見せのゴールである市役所前に到着すると、舁き山笠は桟敷席に正対して博多祝い歌(祝いめでた)を謡いあげ、博多手一本を入れると、博多部へと戻ります。約800メートルの復路は、福岡市役所から博多座先の青龍堂前まで。再び西大橋を渡り、舁き山笠はホームグラウンドである博多の町に戻っていきます。
ここ近年、密かに人気になってきているのが、集団山笠見せが終わった後の櫛田神社です。それというのも、復路を終えた到達した大黒流、恵比須流、土居流、西流、千代流の五つの流が、帰路につく前に櫛田神社に立ち寄って『櫛田入り』の練習を行うのです。しかも、この日の桟敷席は無料開放されており、自由に入れて好きな席で見る事が出来るため、五流の櫛田入りをたっぷり見物することができます。
この「櫛田入り」はオフィシャルに告知されていない”イベント”です。そのため、2010年頃までは知る人ぞ知る隠れた人気イベントだったのですが、現在は桟敷席がほぼ埋まってしまうような大変人気があるイベントになりました。早めに明治通りでの見物を切り上げて櫛田神社に移動する人や、明治通りにはいかず、この櫛田入りをメインに待っている人達もいるようです。明治通りが「表」集団山見せなら、この五流櫛田入りは「裏」集団山見せといってもよいでしょう。
集団山見せが終ると、博多祇園山笠はいよいよクライマックスへ向かいます。残すは7月14日の最後の『流舁き』、そして15日早朝の『追い山笠』です・・・!