博多祇園山笠は「静」から「動」へ。7月10日から、博多祇園山笠の華『舁き山笠』がいよいよ動きます。
この年最初の山舁きとなる7月10日の『流舁き』は、各流はホームグラウンドである自分たちの地域を舁き回ります。
流舁きは、午後4時から午後6時にかけて各流事に行われ、舁き出し時間と同時に山小屋を舁き出し、それぞれの地域内を舁き回ります。
山舁き初日と言うこともあって、男衆達の気合いは十分。山足(山笠の走るスピード)も非常に速くなりがちです。山舁きの姿を見続ける場合は、舁き山笠を全速力で追いかけるか。進路を先読みして先回りするしかありません。
いずれにしても、疾走する舁き山笠に先んじるのはかなりの体力を必要とします。ここは場所を決めて舁き山笠の通過を待った方が良いでしょう。
確実に山舁きの光景を見たい方は、舁き出し前の山小屋をお勧めします。時間通りに確実に舁き出しを見る事が出来るうえ、出発前の緊張感あふれる様子を見物する事が出来ます。
また、各流の舁き出しは、午後4時に千代流・中洲流、午後5時に大黒流・土居流・西流、午後6時に東流・恵比須流・・・と一時間ごとに舁き出し時間が異っています。午後4時の舁き出しを見たら、午後5時の舁き出しの山小屋に移動・・・とすると、確実に3時間で3つの流の舁き出しを見る事ができるので大変お得です。
流舁きを見物する際は、舁き山笠や舁き手との接触、衝突には重々気を付けましょう。流舁きでは幅の狭い道路を舁き山笠が駆け抜ける事が多いうえ、カメラやスマートフォンを向けていると距離感を忘れたり、思わず前に出てしまう事が多く、大変危険です。舁き山笠が近づいてくると、流の交通係(緑のたすき)の舁き手から、道を空けるように指示が出たり一歩下がるよう指示がありますので、その指示にしっかり従って安全な場所に移動しましょう。
櫛田神社が流区域にある西流と、櫛田神社が土居通り沿いにある土居流は、舁き出し後に櫛田神社に向かい、清道内で櫛田入りを一度行います。午後5時から櫛田神社の桟敷席で待っていると、二つの流の櫛田入りを見る事が出来るのでとてもお得です。
舁き山笠が走るとき、その沿道からは「勢い水(きおいみず)」と呼ばれる水が豪快に振り撒かれます。これは、舁き手たちに気合いを入れると同時に、真夏日中でオーバーヒート寸前の舁き手たちと山笠本体の熱気を冷ますためのもので、山笠の通過中はほぼ切れ目なく勢い水が飛び交います。
流舁きでも当然勢い水は飛び交いますので、見物する場合は濡れる可能性があることを考慮しなければなりません。洋服だけならまだしも、カメラやスマートフォンが水浸しになっては目も当てられません。撮影に夢中になって勢い水を浴びないように注意しましょう。
舁き山笠が来るか来ないかを判断するポイントは2つあります。
まず、舁き山笠が近づいてきた場合、必ず「先走り」と呼ばれる『招き板』持った子供達の一群が先にやってきます。子供達がやってきたら舁き山笠が近づいてきた証拠です。
また、道端に用意されたバケツや路面に注目しましょう。水を張ったバケツがあったり、周囲のアスファルトが濡れていなければ、まだ舁き山笠が通過していない証拠ですので、その近くで待機するのも一つの方法です。