祭りの主役「山笠」の解説 YAMAKASA TRADITIONAL TECHNIC

伝統の技を受け継ぐ「人形師」

博多山笠の飾りは、博多人形師によって制作されます。今にも動き出しそうな躍動感あふれる武将人形、優美で華やかな天女など、山笠の主役をかざる数々の人形は、博多人形師ならではの細かな感性と匠の「技」によって生み出されているのです。

博多人形とは本来作り方の違う山笠の飾り

山笠に飾られている人形が博多人形師によって制作されている事はよく知られています。博多人形の起源と山笠人形の起源は近いところにあったという説もあり、その縁もあって博多人形師が博多山笠の飾りを作るようになったと言われています。

しかし、博多人形と山笠の人形は作り方も材質もまったく違うため、博多人形師であれば誰でも山笠の飾りを作れるわけではありません。長年山笠人形づくりに携わり、技術を習得した人形師だけが山笠の飾りを作ることができるのです。

飾り山の山飾りは一門総出で制作

山笠の飾りは基本的に「軽く」制作する必要があります。総重量が1トンを超える舁き山はわずか20数人の舁き手によって走らせるため、山笠台に乗せる飾りは出来るだけ軽い方がよいのです。このため、材質は主に紙、竹、布などが用いられ、材料を幾重にも貼り合わせて形を作っていきます。

巨大で数の多い飾り山笠の飾りや人形の制作の場合は、門下の人形師達の加勢のもとで完成させます。この中で門下の人形師達は師匠の技を習得し、一人前の山笠人形師へと成長していくのです。

進む山笠人形師の高齢化。次世代の台頭が待たれる

山笠人形師の世界も高齢化が進んでおり、世代交代が始まっています。
しかしながら後継者数はまだまだ少なく、若手山笠人形師の育成は大きな課題となっています。