また、「櫛田入り」の舁き手を選抜する「棒競り(ぼうぜり)」も見物です。通常、櫛田入りの1時間以上前に行われ、「我こそは」と櫛田入りを希「望する舁き手たちが、流の実力者の前に整列して真剣な表情をアピールします。櫛田入りの舁き手に選ばれることは大変な名誉のため、多くの舁き手が殺到し、さながら押しくらまんじゅう」のようです。
この日は15日の「追い山」に向けた予行演習の日です。でも予行演習と侮るなかれ。時間とコース距離が若干短い以外は何もかも本番同様。山の男達は他の流よりも1秒でも早く駆け抜けようと本気で山笠を舁きます。
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7つの舁山と走る飾り山「上川端通」が一同に並ぶ冷泉公園から櫛田神社にかけての「土居通り」は櫛田入り前の緊張感が伝わるもっともオススメの見物スポットです。櫛田入りを控えた舁き手たちの表情は真剣そのもので、見ている方にまで緊張が伝わってきます。
また、「櫛田入り」の舁き手を選抜する「棒競り(ぼうぜり)」も見物です。通常、櫛田入りの1時間以上前に行われ、「我こそは」と櫛田入りを希「望する舁き手たちが、流の実力者の前に整列して真剣な表情をアピールします。櫛田入りの舁き手に選ばれることは大変な名誉のため、多くの舁き手が殺到し、さながら押しくらまんじゅう」のようです。
このように見所の多い「大本命」のスポットですが、それゆえに尋常でない混雑をします。自動販売機で飲み物を買うことも困難なほどの混雑ぶりですので、事前にペットボトル等のお茶を準備しておくことをお勧めします。
また、メインイベントの「櫛田入り」は、残念ながら事前に桟敷券を入手しなければ「清道」の中で見物することはほぼ不可能です。この「桟敷券」は、毎年6月26日に発売されれ、追い山の桟敷席券は発売からわずか15分で完売する人気ぶりなので徹夜をして待つ人も。ただ、追い山ならしの桟敷席券なら6月26日早朝に並んでも入手しやすい傾向があります(曜日に大きく左右されますが!)。
桟敷席券を入手できなくても、追い山ならしの日なら清道の外側からでもある程度清道の中が覗ける上、場内放送で櫛田入りの迫力ある音声が実況中継されていますので櫛田入りの雰囲気は十分に堪能できます。
櫛田神社近辺は見所も多いのですが、とにかく人、人、人ですので、落ち着いて見物したい場合は次にいくスポットを事前に決めておいて、早めにそのスポットに移動した方がよいかもしれません。
櫛田入りを果たした舁山は、そのあと国体道路を経て東長寺前の清道をまわり、その後すぐ近くにある承天寺前の清道をまわります。全コース中で清道が設置されているのは櫛田神社、東長寺前、承天寺前の3カ所のみですので、櫛田入りをみれなかった場合でも、いずれかの清道を舁山が廻っていく様子を見ることができるでしょう。
ただし、承天寺前の聖道がある場所は道幅が非常に狭く、道路沿いにいると舁き手や山笠と接触する恐れがありますので、十分に注意してください。もちろん、「勢い水」にも気をつけて。
“走る飾り山”で親しまれている上川端通の山笠は、櫛田入りが終わると東長寺前の清道を一周し、そのまま上川端商店街に帰ります。承天寺前の清道や東町筋、西町筋は通りませんので、走る飾り山の勇姿を見たい方は待ち受けポイントに注意してください。
続いて舁山が通りかかる東町筋は道幅が約4〜5メートルと狭く、山笠が通過する際は山笠の参加者で道が埋め尽くされ、舁山もすぐ目の前を通過するため、まるで流に参加しているような錯覚を起こすほどです。
その中でも特に見所なのは上呉服町の坂道で、短いながらも下り坂を一気に駆け下りる様は非常に迫力があります。
ここでも勢い水が飛び交いますので、濡れるのを前提とした服装がおすすめです。
片側4〜5車線の大博通りは、歩道も比較的広いので、子供連れやお年寄りにはぴったりの見物ポイントです。
道幅が広いのでやや単調に思えるかもしれませんが、舁き手がめまぐるしく交代するために、全員の息が合っていないと山笠が左右に蛇行してしまいます。また、大通りのために勢い水が届かず、晴天の時などは舁き手のスタミナが要求される「隠れた難所」なのです。
大きな大博通りから奥の道バス停付近で右に90度曲がり、山笠は一転して道幅の狭い旧西町筋になだれ込みます。旧西町筋 は東町筋よりもさらに道幅が狭い所が多く、しかも直角に曲がる箇所があるため、舁き手の度胸とテクニックが要求される追い山コース屈指の難所ます。
ここでの見物は舁き手との衝突に十分注意してください。直角コーナーでふくらんだ舁き手たちと見物客の接触は毎年のように起こっています。かならず交通係(緑と白のたすきを着用)の指示に従ってください。ここも勢い水が飛び交いますので、濡れるのを前提とした服装がおすすめです。
山笠は狭い西街筋を経て廻り止め(ゴール地点)のある奈良屋町へ。ここでの見所はなんと言っても舁き手たちの最後の力を振り絞った「ラストスパート」でしょう。
最後の角を曲がって廻り止めが見えると、いっせいに男たちが後押しにつき、舁き山にラストスパートがかかります。このとき、「オイサッ!」のかけ声はひときわ大きく、早くなり、舁山が猛然と加速します。ゴールした後の感極まった舁き手たちの姿は、見る人の感動を呼びます。
追い山ならしの廻り止めは15日の「追い山」の廻り止めよりも約1Km短い地点に設定されています。