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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

流舁き(ながれがき)

7月10日と14日に行われる山の舁き出し行事。午後4時から午後6時にかけて各流事に行われ、それぞれの地域域内を舁き山笠を舁き回る。
博多祇園山笠の起源が「承天寺の開祖・聖一国師が町民が担いだ施餓鬼棚に乗って祈祷水を撒きながら町を清めて回った」という事から、流の地域内を舁き山笠が走る事で地域が祓い清められ疫病退散を行われるとされている。そのため、どんなに細い道でも舁き山笠が入って隅々まで舁き山笠が舁き回り、勢い水が飛び交う。

そのため、参加者の中には追い山笠よりもこちらの行事を行う事の方が大事、と考えている人も少なくない。

行事の概要

流舁きの舁き廻り順(コース)は当番町によって毎年異なる。
ただし、東流と中洲流は山小屋の場所が毎年同じなので、基本的にほぼコースを舁き回る事が多い。

流舁きは一度書き出したら、基本的に山笠の運行を止めることはせず、ノンストップで最後まで走り続ける。台上がりの交代も、走る山笠を追いながら行われる。(※中洲流は10日は祝儀山笠を行うため、各町の入り口で山笠が止められる)
また、その町の流舁きはその町の舁き手が台上がりを行う習わしなので、次の町に入る各辻々で台上がりが次々と交代していく様子が見られる。

舁き廻り順(コース)は当番町によって毎年異なる。(※東流と中洲流は山小屋の場所が毎年同じなので、基本的にほぼコースを舁き回る)。
そのため、見物客は場所を決めうちして待ち構えてることが多い。追いかける際は、路面が濡れているかどうか(=勢い水が使われた=すでに通過済み)で判断するとよい。

その昔は午後2時~午後5時頃に舁き出していたが(※昭和27年:1952年)、時代の流れと共にサラリーマンや子供達が平日の日中に参加しにくくなってきた。
1957年、伝統の継承と後継者育成を目的に「子供の参加を活発に」と、博多祇園山笠振興会と市内小中学校が懇談会を行った際、先生達からの「子供達が参加しやすいよう舁き出し時刻を放課後に合わせていただけたら」という声を受け、舁き出し時刻が現在の午後3時~4時頃となった。

7月10日の流舁き

山笠期間に入り様々な神事を執り行ってきたが、この7月10日からいよいよ舁き山が動き出す。博多の町が一気に山笠ムードが高まる。この日から15日まで毎日舁き山が博多の町を舁き回る事になる。

この日の流舁きは全流が執り行う。
舁き出し時間は流によって異なり、午後4時より中洲流と千代流。午後5時より大黒流、土居流、西流。午後6時より東流と恵比須流が舁き出す。(※2024年時点)
コロナ禍明け初の2022年の流舁きでは、2年間中止となっていた祝儀山笠をまとめて行うため、例年より早い時間から舁き出す流もあった。

中洲流は7月10日が祝儀山笠となっており、子供を台上がりさせて山舁きをし、追善山笠を行う。

7月14日の流舁き

五流がこの日の流舁きを行い、午後4時より中洲流と恵比須流、午後5時より大黒流、土居流、西流が舁き出す。(※2024年時点)

その年最後の流舁きは、この14日の流舁きで終り。山舁きは一年後の楽しみとなる。
若手には棒に付くラストチャンスなので、体力的にもきつい時だが「終いやけん、しっかり舁いときやい!」との声を受けながら、必死に舁き棒に食らいついていく姿がよく見られる。

直会を行って仮眠してしばしの休息を取った後、数時間後に始まる追い山笠に備える。

流舁きのダイジェスト動画

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