博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

お汐井取り(おしおいとり)

箱崎宮参道の先の海岸で行なわれる清めの神事で、山舁き姿で各町が集まる最初の行事。
7月1日は当番町のみがお汐井取りを行い、7月9日に全ての流が総出で行う。

各流ごとに山小屋前に集合した山舁き姿の男衆が当番町に集合し、弓張提灯(笹竹に提灯をつけたもの)を先頭に約6キロの「お汐井道」と呼ばれる行程を小走りに駆け箱崎浜まで赴く。
順番は当番町を先頭に、当日集合順で各町が続き、最後尾は受取町(翌年度の当番町)となる。

箱崎浜まで赴いた一行は沖に向かって柏手を打ち、一礼して海に入り波打ち際のお汐井(清めの真砂)を「お汐井枡」や「てぼ」にすくい取る。


その後、筥崎宮で祭りの安全を祈願した後、次は走って櫛田神社へ参拝に行く。櫛田神社に到着すると、流ごとに正門前の道路上で整列し、「ヤー!」という掛け声とともに一気に楼門をくぐって境内に駆け込み、拝殿前で拝礼する。


この時に取った「お汐井」は「清め」の意味がある。舁き手は体や山笠台に振り掛けたり、舁き山に吊したりなどしたりして使用される。山笠に出る時はもちろんだが、普段から様々な場面で清めの塩と同じように使用されるのは博多独特の光景である。