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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

舁き山笠(かきやま)

博多祇園山笠で博多の町を駆け抜ける山笠。
高さ約3メートル、重さ約1トンを誇る『御神体』であり、この巨大な物体を男達が担ぎ上げ、7月15日の追い山笠では博多の道々約5.5キロメートルを僅か20分程度で疾走する。
表記は『舁山笠』『舁き山笠』『舁山』『舁き山』と様々あるのだが、博多祇園山笠振興会の公式表記では『舁き山笠』と定義されており、呼称としては『舁き山笠やま』と”山笠”を”やま”と読む事になっている。

たまに「博多の山車だし」と紹介される事があるのだが、博多の山笠には車輪が付いていないため、例えるなら神輿の方が近い。また人力で担いで運ぶため、「舁き山笠を曳く」という言葉も間違いである。

現在の舁き山の数は7本だが、最も舁き山笠が多かった年は昭和27年(1952年)で、舁き山14本(飾り山13本)。一番最後の十三番山笠・南流が櫛田入りを行ったのは午前6時だったという記録が残っている。

元々は飾り山笠と同じサイズの山笠(高さ15メートル)を舁いていたのだが、明治の近代化により電線および路面電車の架線(高さ5メートル)が町中に張り巡らされるようになると、舁き山笠が電線を切ってしまう事が問題になった。 明治31年(1898年)に当時の曾我部県知事の提議により博多祇園山笠は中止の危機に瀕するが、架線を山笠で切断しないようにするため、背の低い『舁き山笠』と、据えて見物する背の高い『飾り山笠』の2つの山笠に分離させることに。寸でのところで山笠は継続することになった。

なお、分離前の背の高い舁き山笠を再現しているのが、八番山笠・上川端通の「走る飾り山」である。

この古式の舁き山笠は、福岡市役所1階ロビーに展示されている山笠人形のディスプレイで再現されており、水法被を着ていない男達が高くそびえた舁き山笠を舁いている様子を見る事が出来る。

追い山後の舁き山笠

追い山笠後の舁き山笠は、山小屋に戻った後、飾りと山笠台に分けられる。昔は飾りを参加者で取り崩す「山崩し」を行っていたのだが、近年は施設や他の地域に舁き山飾りを寄贈する活用がされる事が多いため、飾りを崩さず取り外す流が多い。
2023年時点で山崩しの行事を行っているのは西流のみとなっている。

近年で言えば、大黒流の山笠飾りは、追い山後、ホテルオークラのロビーにて期間限定で展示され、土居流の飾りは博多中学校の玄関に一年間飾られた後、福岡空港国際線ロビーに設置される。
東流の山笠飾りは、秋に行われる灯明ウォッチングやライトアップウォークなどのイベントにて展示された後、福岡空港国内線ロビーに展示されたりしている。

博多外に寄贈された舁き山笠の飾りを寄贈した近年の主な場所は以下の通り。寄贈した現地では今もなお展示されている場所もある。

  • 2001年(平成13年) 大黒流→前原山笠(前原南本町)
  • 2014年(平成26年) 千代流→上田城跡(長野県)
  • 2015年(平成27年) 静岡まつり→静岡県庁(静岡市)
  • 2018年(平成27年) 大黒流→秋月博物館(朝倉市)
  • 2019年(令和元年) 祭アイランド九州→熊本市庁(熊本市)

飾りを取り外した後は、流によって習わしが異なるが、飾りを外した後、全員で祝いめでたを唱和する。東流は山揺らしを行いながら祝いめでた唱和が行われる。

大黒流、土居流などは、飾りを外した山笠台を翌年の当番町まで舁き入れ、目録と共に引き渡して引継ぎを行う儀式が行われる。

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