山笠事故 再発防止の安全対策案(やまかさじこさいはつぼうしのあんぜんたいさくあん)
2023年(令和5年)、千代流の舁き手として参加していた57歳の男性が、東長寺の清道を回る直前の大博通りの路上で、舁き山笠の下敷きになる事故が発生。何らかの原因で転倒し山笠台に巻き込まれたとみられる。男性は福岡市内の病院に搬送されたが、病院で容体が急変し亡くなった。死因は胸を強く打った事などによる出血性ショック。山笠での死亡事故は戦後初。
博多祇園振興会は7月15日午前、緊急の常任委員会を開催して各流に対し安全な奉納を徹底するよう周知。また、この事故を受けて再発防止の安全対策を取りまとめ、11月25日の決算総会で「博多祇園山笠事故 再発防止の安全対策案」として以下の内容の承認を受けた。
博多祇園山笠事故 再発防止の安全対策案
- 山笠振興会が配布する『博多祇園山笠総会議題』及び『山笠参加者の遵守事項』を全ての参加者に周知すること。
- 山笠行事を挙行する際は『安全・安心』及び人命を第一に考えること。又、当該流の規則・決まり事・申し合わせ事項を遵守すること
- 体調不良の際は正直に自己申告し、参加を控えること。
- 博多祇園山笠は『奉納神事』であることを念頭に置き参加すること。(タイムレースでは無い)
- 山笠及び山小屋建設の際は「労働安全衛生法」を順守のうえ安全対策を徹底し作業に従事すること。
- 7月12日・13日・15日廻り止めに向かう際の留意事項
①前山笠に追い付きそうになっても前山笠を煽るようなことはしないこと。
②前山笠に追い付きそうになったら前走りの招き板を倒し、当該流の山笠を一つ前の筋で止めること。
③前走りの先頭は山笠のしきたりを熟知した者を置き、子どもを含む他の参加者はその先頭者を追い抜かないこと。
- 舁き手に関する留意事項
①舁き出し前に十分な準備運動をすること。
②山笠につく際は必ず舁き縄を舁き棒に掛け、しっかり両手で握り、命綱とすること。
③自分の体力限界を認識し、自分を過信しないこと。(体力ぎりぎりまで開くと、山笠から離れる際に足がもつれて転倒することになる)