博多では忘れられがちではありますが、七夕の日である本日7月7日(日)、追い山笠まで一週間となりました。
6月1日を皮切りに行われてきた櫛田神社浜宮での棒洗いも、本日東流で今年の棒洗い神事はすべて終了となります。
午前8時半前、舁き山笠の舁き棒を積んだトラックが到着すると、東流の男達は境内に運び入れていきます。
博多湾の海水を汲み上げる前に、まずは御神酒を海に注ぐのが東流の習わしです。御神酒が注がれると、バケツが次々と投げ込まれていきました。
「紐がからんでますけど!」「バケツが開いてないんですけど!」「体全体で引き上げるんですか?」若手の海水汲み上げの様子に先輩たちから温かい野次が飛び、和やかな雰囲気となりました。
午前8時半、神事が開始。汲み上げた海水と洗い清める舁き棒、そして棒洗いに参加した者を櫛田神社の神職が祓い清め、棒洗いの儀が始まります。
海水を注ぎ、タワシで汚れを落としていきます。まんべんなく洗った所で、真水をかけて汚れと海水を洗い流しました。
神事を終えたら、タオルで水気を拭き上げます。東流はこの後舁き棒を山小屋に持ち帰り「棒締め」を行うためです。
この棒洗いが今年の棒洗いの最後なので、浜宮に掛けられていた注連縄と看板も取り外されました。
山小屋に運ばれた舁き棒は山笠台に置かれると縄が掛けられ、棒締めが始まります。
御神酒の乾杯が行われた後、橋本総務が山笠台に上がり、最初の一叩きを行いました。
「棒締めた!」の掛け声と共に木槌の音と縄が締まっていく音が辺りに響き渡ります。作業は順調に進み、午前11前には6本の棒が山笠台に縛り付けられました。
棒締めが終わる頃、地下足袋をはいた東流の男達が集まりだします。山小屋周辺には水法被とステテコ、地下足袋スタイルの走る気満々の舁き手達が集まり、「試し舁き」の時を今か今かと待っています。
橋本総務らが山笠台に上がると、一気に雰囲気は全員山舁きモードに。
信号が変わるタイミング、交通量のタイミングを見計らい、山笠台に付いた舁き手は走る方向を見据えます。
「5秒前!」の合図からドン!と駆け出した飾りのない山笠は、一気に車道に出て多くの舁き手達と共に魚町の道になだれ込み坂道を駆け下りていきます。
「オイサ!」「オイサ!」と声を上げながら進む周辺住民の人から拍手が送られ、明治通り前でUターンすると来た道を戻って山小屋へ。坂を上り角を曲がり、再び大博通りへ。
山小屋前に戻ってきた山笠。舁き手達は荒い息をしながら橋本総務の手一本に合わせて手を入れ、早朝からの作業を無事終えました。午後からは飾り付けが行われ、明日早朝に御神入れが行われます。
昨日飾り付けを終えた恵比須流は、午前9時から御神入れの神事を行いました。
今年の飾りは閻魔様。山小屋の対面にある海元寺では閻魔様と観音様が祀られており、今年の飾りやその閻魔様がモデルとなっています。櫛田神社の神職が、閻魔様の人形に神を込めて「舁き山笠」が完成しました。
同じく土居流も御神入れの神事を午前10時より執り行いました。
山笠に神を呼び込み、祝詞を奏上した後に、飾りの表と見送りを祓い清めて「飾り」を「御神体」にします。
最後に玉串が捧げられ、舁き山笠の無事奉納が祈願されました。
御神入れの後には当番町の大乗寺前町の幕が山笠台に掛けられ一般公開が開始。たくさんの人が山小屋まで出来上がったばかりの舁き山笠を見物に訪れていました。
西流も御神入れを終えて、舁き山笠が完成。人形は「豊臣秀吉」です。
金曜日から連日行われていた博多小の子供山笠も3日目、ついに最終日を迎えました。昨日から始まったRKB子供山笠教室も2日目となり、受付の横では山笠教室の模様がモニター中継され、親御さんがそのモニターで教室の様子を見る事が出来るようになっていました。
午後2時半から舁き出した博多小の山笠は、午後3時に櫛田神社に到着。櫛田入り二日目がいよいよ始まります。前走りの子供が招き板を持って清道に入ってくると、無料開放されている桟敷席からは応援の拍手があがりました。
子供山笠も到着。子供達は円陣を組んで「気合入れていくぞー!」「おー!」を連呼し、気合を高めていきます。4人の男の子たちが桟敷の周囲で様子を見守っている前走りの低学年の子供達や、山笠教室の子供達に「気合入れていくぞー!」と声を掛けて回ります。突然のコール&レスポンスに戸惑いながら声を上げる子供達。上級生は皆で一緒に速くてきれいな山笠を成功させようと一致団結に奔走します。
櫛田入りの一本目は27秒71の好記録。年々タイムが上がってきており、子供達から歓声が上がります。
二本目の前に再び男の子たちが、清道の子供たちに気合を入れ回ります。一度見た山笠の興奮から、腕を振り上げ大きな声で「オー!」と声が上がります。
二本目の櫛田入り。「24秒56!」のアナウンス。一本目からタイムを約3秒も縮めた好タイムに、子供達からどっと歓声があがりました。
そして三本目。この一本で今年の櫛田入りは終わります。もっと速くてもっときれいな櫛田入りをしたいと、再び円陣を組んで気合を入れ直します。今度は全員で桟敷の子供達にコール&レスポンス。「気合入れていくぞー!」「オー!」全員で一つになっていきます。
清道旗の玉垣をギリギリ攻めるきれいなコーナーワーク。一気に加速して清道入り口へ。マイクの突然の不調からなかなかタイムが発表されなかったのですが、太鼓台の上から大きな地声でタイムが読み上げられます。「二十・・・三秒」。その瞬間アナウンスの声が聞こえなくなるほどの大歓声が沸き子供達の喜びが爆発。好タイムで今年の櫛田入りを終えました。
櫛田入りを終えた子供山笠はRKB子供山笠教室の子供達と合流した後、教室の参加者の子供達を乗せて元気に博多の町を舁き回りました。