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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

山笠台(やまかさだい)

山笠の飾りを乗せ、30人近い男達の渾身の力を受け止める山笠の土台部分。釘を一本も使わず、縄と木材だけで組み上げられる。重さは約850キログラム。

山笠台は、小屋入りの神事を行って祓い清めた後から組み上げられる。(※流によっては、山笠台を組み上げた後、小屋入りや地鎮祭を行って山笠台自体を祓い清めてから棒締めを行うところもある)

歴史

博多祇園山笠は仁治二年(1242年)、萬松山承天寺の開山、円爾辨円、即ち聖一国師が、当時博多に流行した病魔を退散させるために、修法祈禱した施餓鬼棚に棒を取り付け、博多の人が担ぎ、円爾辨円自ら施餓鬼棚の上に乗り、甘露水を振り撒いて市中を清めて回った・・・という言い伝えが起源とされている。
この施餓鬼棚に棒を付けた物が「山笠台」として、現在もなお伝わっている。

山笠発祥の地とされる承天寺には、復刻された施餓鬼棚が安置されている。平成17年には地域の人たちで作った「承天寺清道会」から「原点である施餓鬼棚を再現し、 山笠の起源をしっかりと伝えていきたい」と新調した施餓鬼棚が奉納され、以降追い山笠馴らしと追い山笠の際はこの施餓鬼棚を表に設置し、この施餓鬼棚に承天寺の住職が座って七流の舁き山笠の拝礼を受けている。

構造

山笠台は各部材を、釘を一本も使わず縄と木材だけで、山大工の手によって組み上げられる。

1964年(昭和39年)に中洲流が山笠台を新調した際は、山笠が勢水を掛けられても水を吸わないよう、材料には油の乗った糸島郡富山のコエマツ、”への字”には熊本の人吉から取り寄せたカシの木、棒もたせ(※どの場所か現在不明)は水目桜・・・と、山大工のこだわり材料が使用されたという記録が残っている。

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