山笠ナビ チャンネルYouTube

博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

山大工/山笠大工(やまだいく)

山笠に関わる建設作業に従事する職人の総称。主に、山小屋建設、山笠台製作、棒締め、飾り付けなど、山笠に関わるあらゆる建設に関わる。中には舁き棒の製作にも携わる代々山大工の人も存在する。
山笠のあらゆる建設に関わっているので、山大工がいなければ山笠は成り立たない。もちろん、山大工以外にも誰が欠けても成り立たない祭が山笠なのである。

山大工は「山大工」という職業だけで一年間を過ごしているわけではない。大半の人が工務店を自営していたり、工務店に務めている”大工””とび職””職人”である。山笠が近づいてきたり、山笠関連の仕事を受注した時に、「山大工」として作業に関わる。一般の建設や建具と異なり、山笠は伝統古来の製法が受け継がれているものが多いため、一般の大工や職人では対応できないことがほとんど。部材の組み上げ方、素材の良し悪し、縄の結び方、縄のテンションの掛け具合などなど・・・そのため、長きに渡って山笠製作の伝統技術を学び磨いて行く必要があるため、特殊技能分野の職人でもある。

飾り山笠の飾り付けの際は、高さ10メートルもある矢切に登って、下から飾り付けの指示をする博多人形師の指示に合わせて飾り付けを行う。
高所での作業で大変危険な作業なのであるが、2023年JR博多駅前広場に建てられる博多駅商店連合会の飾り山笠の飾り付け作業中に、山大工が高さ約6.5メートルから転落するアクシデントが発生。転落時に飾り山笠の骨組みや配電盤に接触した事から衝撃が緩和されたようで、幸いにも生命に別条はなかったが、肩や肋骨を折る重傷を負った。
以降、「全員ヘルメットを着用」「山大工やとび職の人はハーネスを着用」「流の者は高さ6.5メートル以上上らない」などの徹底した安全管理対策が全流・全飾り山笠に通達された。

61