その年の流の山笠運営を取り仕切り、各町の世話をする町。
当番町の扱いは各流によって若干異なるが、流の構成町を統制し、各町への伝達や案内、山笠行事の準備と斎行、他の流との折衝など、流や山笠の運営を円滑に行うための様々な役目を受け持つ。
その年の流の総務は、当番町の町総代が務めることが多い。
当番町は輪番制(持ち回り制)で、毎年担当の町が変わる。
輪番であるため、当番町制を採用している流は”我が町は何年後に当番町の役目が回ってくる”という事が決まっている。
(なお、流によっては翌年の当番町を「受取町」と呼び、来年の当番に向けて当番町のサポートや勉強を行う事もある。)
そのため、受取町の者は追い山笠が終ると、翌年の当番のために一年間寄合や勉強会などを継続的に行い、円滑な流運営が出来るように準備を行う。責務が大きい分、一年間気が抜けなくて結構大変らしい。
山笠の準備は当番町が行うため、棒締めやお汐井取りなどの行事は当番町が先導を切って行い、準備の他には山笠飾りの決定(※総務の意向が反映される)、追い山笠での櫛田入りの台下や台上がりも当番町が務める流もある。
そのため、当番町で一番山笠を務めるのは最大の栄誉である。一番山笠も七流持ち回りで当番町も各町持ち回りとなると、一番山笠で当番町というのはそう滅多に担当できる事ではない。
大黒流は12の町から構成されているため、当番町の一番山笠は84年に一度しか回ってこない事となる。
7月15日の追い山笠が終ると、当番町は舁き山笠から飾りを外し山笠台だけにして、来年の当番を務める受取町に引き渡す。受取町は山笠台を自分たちの町に運び入れ、来年の山笠に向けて始動する。
(※流によって当番町が山笠台を運び入れたり、受取町が引き取りにきたり・・・と引継ぎの儀式の内容は異なる)
なお、恵比須流、東流では特定の当番町を持たずに、流全体で運営を行う「流当番制」を採用。
千代流は各町から選出された役員で構成する独自組織「千代流運営委員会」で協議して決定している。