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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

玉垣(たまがき)

神社の境内の周りを囲んでいる木や石でできた境界の柵の事。
『玉』は神聖で美しいものを指し、転じて『神聖な神様を囲む垣』となっている。

山笠では、砂が詰められた俵で作られた壁状の物体、またはこの砂を詰めた俵自体を指す。
この俵は藁で編まれた長さ約1メートルほどの藁袋で、袋の中には砂がぎっちり詰められる。清道旗の土台や清道の出入り口に積んで使用される。

玉垣は6月中旬頃に櫛田神社で、重い俵と中サイズの俵の2種類が製作される。これは崩れない土台を作るためで、まず重い俵を並べてその上に中サイズを載せる事で、がっしりとした土台を積み上げることができる。重い俵にはスコップ11~12杯分、中サイズの俵には9杯分の砂が入っており、重さはおよそ30~40キロある。

櫛田神社の清道の玉垣は、櫛田神社の氏子青年会が毎年奉納している。
まず清道の心棒を取り囲むように重い玉垣を円状に並べ、重ねていく。その際、玉垣に縄を通して心棒に掛けて繋ぎ崩れにくくしていき、最終的に舁き山笠がぶつかっても強風が吹いても清道旗がびくともしないように、円錐状になるまでがっちり積み重ねていく。

昔の写真を見たら、櫛田入りの際にこの玉垣の上に人が登って舁き手を鼓舞している様子が見られるが、現在はこのような行為は厳禁となっている。

また、清道の入り口の角にも玉垣が積まれる。これは櫛田入りを行う舁き山笠のコース取りの目印の意味合いと、見物客の安全ラインを引くための意図がある。玉垣が一つ一つが重いので、同じ清道内に設置するにも軽トラックで運ぶ。

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