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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

注連下ろし(しめおろし)

山笠行事が始まる7月1日早朝、それぞれの流域や町内を清めるために行う行事。
櫛田神社の神職が土地を祓い清めた後、その地に繋がる出入り口(辻)に御幣ごへいを垂らした注連縄を張った斎竹いみだけを門状に立てる。また、その地域の電柱に竹串御弊(たけぐしごへい)と呼ばれる竹で作った御弊を結わえる。これによってその地は舁き山笠が入る事が出来る神域となる。

注連下ろしの儀は櫛田神社の神職を招き、参加者が神籬ひもろぎ(祭壇)を作って行われる。神事は以下の流れで神事を執り行う。(※神事の各名称は神職によって異なる場合がある)

  • 修祓しゅばつ:神を招く前に心身の罪・穢つみ・けがれを祓う
  • 降神こうしんの儀:神籬ひもろぎ(祭壇)に神様を招く
  • 献饌けんせんの儀:瓶子(神酒徳利)と水器の蓋を取って神前に神饌品を供える
  • 祝詞のりと奏上:称辞たたえごとを奏し、恩頼みたまのふゆを祈願する
  • 清め祓いの儀:辻々や斎竹・道具を祓い清めて安全等を祈願する
  • 玉串奉奠ほうてん:祈願を託した玉串を神前に謹んで供える
  • 徹饌てっせんの儀:瓶子と水器に蓋をし神前の供物を下げる
  • 昇神しょうしんの儀:神籬にお招きした神様にお帰り頂く

なお、祓い清める際の辻は現在の地図に沿ったものではなく、旧町の町割りに沿った辻を祓い清めるため、道の途中などで祓い清められる事もある。

通常、山笠開幕初日の7月1日早朝に行われる行事なのだが、恵比須流は6月1日に他流より一ヶ月早く取り行う。これは恵比須流が伝統的に則って旧暦の7月1日→新暦の6月1日に取り行っているため。

6月1日は町中を長法被を着て歩くことが解禁される日というのもあり、この注連下ろしと出会うと「ついに山笠の季節が来なあ」と実感する人も多い。

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