山笠ナビ チャンネルYouTube

博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

西流(にしながれ)

博多駅から北に延びる「大博通り」の西側一帯を区域とする流。国体道路から博多湾に向かって四ヶ町で構成されている。
冷泉町は櫛田神社のお膝元で、昭和20年6月の福岡大空襲でも焼失を免れた土地で、今もなお風情のある古い町並みが残っている。町並みには商店、問屋、飲食店などが多く、参加者は地元のサラリーマン、商店主、従業員に加え、外部からの参加者も多い。

流の歴史

大博通りから一本西側に入った西町筋に沿った町々で構成していた博多七流の西町流が源流。昭和41年の町界町名整理事業で、西町流を軸に呉服町流、福神流、恵比須流、櫛田流、岡流、浜流からの加入を受けて再編成され、流名も「西流」に改めて発足した。

流の地域

緑色の地域が西流の流区域となっている。

年によって追い山笠順路に山小屋が立つのも西流ならではで、各舁き山笠は西流の山小屋の中を通過していく事になる。通過時は小屋の壁がある分道幅が狭くなるため、鼻取りの腕が試される。

構成町

新町単位でまとまっており、冷泉町(冷泉上、冷泉下)、店屋町(二区、三区)、綱場町、奈良屋町(一区、二区、三区)に分けられている(※店屋町一区は現在不参加)。当番は岡部から浜部へ引き継がれ、5年に一回回ってくる形となっている。なお、総務は町内では一区から順番に選ばれる。

平等、話し合いによる解決に努力しており、スムーズな運営を行っている。

当番町の順番は輪番制。以下の順番に沿って流の世話を行っている。
(※2024年の当番町・奈良屋町を先頭にして表記し順に並べるものとする)

  • 奈良屋町
  • 冷泉町
  • 店屋町
  • 綱場町

西流の長法被・水法被

西流発足時は一時、統一した「西流」の当番法被が作られたが、今は各町毎になっている。水法被も現在は各町の頭文字を染め抜かれたものが使われている。町の単位が大きいため、所属町が分かるように肩章を付ける町もある。

長法被

冷泉上
冷泉下
店屋町
綱場町
奈良屋町

水法被

冷泉上
冷泉下
店屋町
綱場町
奈良屋町

山崩し

旧町時代の慣習の継続にも力を入れており、追い山笠終了後に行われる「山笠崩し」を今も行っているのは西流だけとなっている。
7月15日の追い山笠で廻り止めに到達した舁き山笠は、当番町に戻ると山揺らしをしながら祝いめでたが唱和され、手一本が終わるや否や当番町の男達が飾りに飛びついて山笠飾りを解く。この荒っぽく山笠飾りを解く「山笠崩し」は博多祇園山笠ならではの伝統であり、観客が見守る中、喧騒を押さえながらも山笠から人形や飾りを取り合いながら山笠を解くしきたりは今も守られている。

最速タイムを保持

櫛田神社が流区域の目の前にあるため「流舁き」などで櫛田入りの稽古に熱心で、「遅いよりも速い方がいい」と常にトレーニングと勉強会等を開いており、常にタイム向上を図っている。
その成果があり、2004年(平成16年)追い山笠ではコース最速の25分58秒を記録。2019年(令和元年)の追い山笠馴らしでは、櫛田入りで29秒64という驚異的なタイムを叩き出した。30秒を切るタイムは七流体制となった昭和41年(1966年)以降初めて。

61