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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

二引/二引旗(にびき/にびきばた)

山笠に取り付けられる黒線の入った白い旗の事。
のぼりや幕などの染め方の種類で、太い線と細い線を横に染める染め方を行う。黒い線を2本引くので「二引」らしく、家紋でも「二つ引き」という柄が存在する。ちなみに二つ引きの家紋は、室町幕府の将軍家足利氏の家紋としても有名。
主に幟旗や陣幕などに用いられ、神社の幟もこの柄が多い。『子持ち筋』とも言われる。

山笠では、舁き山笠・飾り山笠共に、山笠の中心線に合わせ、竹竿の先に取り付けて山笠人形の背中、もしくは山笠の中心点に取り付けられる。

八番山笠 上川端通は、背が高い飾り山笠であるため、櫛田入りの際に二引を櫛田の銀杏に引っかけてしまう事が多々あった。極力避けるようなコース取りをしているのだが、年によっては枝葉の茂りぶりなどで引っかかってしまう事も多く、2015年に枝に引っ掛かって二引が折れてしまった事から、山大工の手で改良を加えられて根元が「バネ仕掛け」の二引になった。これにより枝に引っ掛かってもしなやかに受け流すことができるようになり、以降折れるアクシデントは発生していない。

2019年6月に行われた「G20福岡 財務大臣・中央銀行総裁会議」では中洲流と千代流の舁き山笠が会場となるヒルトン福岡シーホークに飾られた。その際、レストランに飾られた中洲流の舁き山笠は「躍動感のある姿を見てもらいたい」と、はためく二引の旗を鉄板で作成し、ガス管を支柱にして飾りに使用。風がなくてもはためく二引が表現された。

この鉄製のはためく二引は、2025年3月に改装リニューアルオープンを控える「博多の食と文化の博物館 ハクハク」(県福岡市東区社領)に飾られている舁き山笠(※2025年7月頃に再展示予定)にも使用される予定。

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