舁き山笠、飾り山笠の使われる飾りのひとつ。
その名の通り「波」をイメージした、青地に白で縁取り、水しぶきの白が撒かれたデザインが一般的。
「波」という名前ではあるが、川、堀、滝など様々な「水」を表現することに使われる。
形状は楕円形や円形で、大きさも様々。色の濃淡も様々で、人形師が作る飾りのイメージに合わせて作られる。
作り方も人形師によって様々で、細く裂いた竹や竹ひごで骨組みを作り紙を張った昔ながらの製法から、プラスチックダンボールに紙を張った今風の製法で作られた物もある。
山笠の飾りのしきたりには「飾りは頂上から下まで「道」「橋」「水」などで繋がないといけない」というものがあり、飾り山笠ではこのしきたりを守って「波」が飾りを上っていくかのように飾り付けられる。
人形師によっては、青色の濃さを変えた数種類の波を用意している人や、大きさが違う波を複数用意している人も多い。これは、前面に明るい波、その後ろに濃い波を配置することで、飾りの奥行き感を出すという視覚的効果を生み出したり、大小の波を飾って遠近感を演出するため。人形師の「山笠を奇麗に勇壮に魅せる」という工夫のひとつである。