博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

水法被(みずはっぴ)

舁山を舁く際に着用する専用の法被。
山舁き中は頻繁に勢い水を浴びるとこらからこの名前がついた。
背中に流名、もしくは町を表す文字や図柄を染め抜いた無地木綿のものと、長法被と同じ意匠の絣地のものがある。
各町、流れごとにデザインが異なり、その種類は全部で44種類にもなり、ひと目でどこの流かが見分けられるようになっている。
※長法被(当番法被)は43種類。水法被の方が1種類多いのは、八番山笠走る飾り山笠の上川端通の法被があるため。
ほとんどの場合、水法被の前を固く結んで着用する。これは山笠の前で転んだ場合、法被に手を掛けコース外に放り出すことが出来るため。法被が緩いと、法被が脱げて山の下敷きになりかねないため、舁き手は水法被の前を固く結んで着用している。
江戸時代まではこの水法被を着用せずに山笠を舁いていたが、明治期に裸同然の姿が問題だとして県議会で山笠を廃止する案が出され、水法被を着ることで解決。それ以来現在まで水法被に締め込みのスタイルが続いている。