山笠の裏側の事。山笠の正面は「表」と呼ぶが、その反対側は「裏」ではない事に注意。
なぜそう呼ばれているかは不明だが、疾走する山笠が通り過ぎて見物客はその後ろ姿を「見送る」わけで、大昔の人の粋な名付け方に感服を感じざるを得ない。
見送り側には、左右にしなえ（旗）、人形飾りの後ろに二引（旗）が飾られている。また山を据えている時は、魔除けの赭熊と大弓が飾られる。赭熊と大弓は山笠を動かす時は取り外される。
飾り山笠は表と見送り共に標題があり、見送り側にはテレビ番組やテレビアニメ、映画やスポーツなどを題材とした飾りが登場する事が多い。
舁き山笠は、標題は表と見送り併せて標題は一つであり、基本的に飾り立てるのは表である。表で人形が見得を切り、見送りは波や松などの飾りで飾りつけられることが多いが、標題に即した人形師のこだわりが仕込まれるが多い。
また、舁き山笠でありながら見送りにも人形を飾って「両面飾り」にする流もある。その際は標題は表・見送りで一つしか付けない事が多いのだが、2023年の千代流は表「日輪幸慶博多照」、見送り「俊豪誓約清明証」と両面ともに標題を付けて驚かせた。
