博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

舁く(かく)

山笠を担ぐ事。

一般的なお祭りでは『神輿を担ぐ』と言うが、博多では『山笠を舁く』と表現する。
現代人には「舁く」という言葉は馴染みがないが、同じ肩でも背中全体で担ぐ時は『舁く』が使われる。山笠は重いため、男達は縄を棒に掛けて少し前屈みになって支えるため『舁く』と呼ばれている。
なお江戸時代の文献では駕籠を担ぐ時に『駕籠をかく』として、この『舁く』の字が使われる事が多い。

山を接地させないように舁く山笠であるが、一度だけ各地に伝わる山車のように山台に車輪をつけようとしたことがある史料が残っている。
資料によると、江戸時代中期の明和8年(1772年)に山笠台に車を取り付けて繰り出したが、所々で家の庇(ひさし)を崩し、怪我人も出てしまったため外したと記されている。
これ以降そのような記述がない事から、やはり山笠は『舁く』ものであるという事になったようである。