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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

地鎮祭(じちんさい)

山小屋や山笠を建てる場所の土地神や氏神と呼ばれるその土地の神に対し、建築の報告と工事や作業の安全を祈願する神事。
6月初旬から中旬にかけて執り行われ、神事は山小屋が建つ、もしくは山笠が建つ場所で行われる。
長法被の集団を見る最初の方の行事なので、この行事を見ると山笠の季節の到来を実感する人が多い。

地鎮祭で土地を祓い清め、小屋入りで道具や部材を祓い清めてからでないと、山笠の製作や山小屋の建築が出来ない。

なお、流によっては小屋入りの神事も兼ねて行うところもある。(逆に小屋入りを兼ねて地鎮祭を行う流もある)。

地鎮祭は櫛田神社の神職を招き、参加者が神籬ひもろぎ(祭壇)を作って行われる。神事は以下の流れで神事を執り行う。(※神事の各名称は神職によって異なる場合がある)

  • 修祓しゅばつ:神を招く前に心身の罪・穢つみ・けがれを祓う
  • 降神こうしんの儀:神籬ひもろぎ(祭壇)に神様を招く
  • 献饌けんせんの儀:瓶子(神酒徳利)と水器の蓋を取って神前に神饌品を供える
  • 祝詞のりと奏上:称辞たたえごとを奏し、恩頼みたまのふゆを祈願する
  • 清め祓いの儀:土地や道具を祓い清めて安全等を祈願する
  • 玉串奉奠ほうてん:祈願を託した玉串を神前に謹んで供える
  • 徹饌てっせんの儀:瓶子と水器に蓋をし神前の供物を下げる
  • 昇神しょうしんの儀:神籬にお招きした神様にお帰り頂く

清め祓いの儀において、山小屋がもしくは山笠が建つ場所の四隅を神職が祓い清める。流によっては場所を示すテープを事前に貼り、そのテープを目印にお祓いが行われる。

小屋入りを兼ねている地鎮祭の場合は、土地のお祓いを終えてから道具や部材のお祓いが行われる。

恵比須流は注連下ろしを旧暦に合わせて6月1日に行っているため、地鎮祭は5月下旬の最終日曜日に行っている。
長法被の解禁は6月1日であるため、5月中の神事となるこの地鎮祭は山笠行事の中で唯一のスーツに身を包んだ正装で行われる。

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