山笠台の胴金(台足先に取り付けられている地面と接触している鋳物)の上部にある、四隅の足と足を繋いで固定するための「梁」の役割の部分。
樫の木で作られた厚めの板状の横木(※1977年に新調された千代流の山笠台に使われた”への字”には長崎県・対馬の樫の木が使われたという記録がある)で、中央部に向かって高く湾曲しているのが特徴。その形状が平仮名の「へ」の字に似ていることから、この名が付いている。
四隅の足と足を繋いで固定する役目だけでなく、転倒した舁き手が山笠に巻き込まれるのを防ぐ「逃げ」のスペースをを確保するための部分でもある。
1954年(昭和29年)の山笠のしおりに書いてある「かくして危険はさけられる」という項に「転んで山笠台が目前に迫つた時は、突嗟に上向きになり「への字」に兩手を掛け、兩足を台の眞下の「燧打ち(八文字)」に上げればよい。」と解説されている。