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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

山笠ナビ博多祇園山笠用語辞典はかたえきしょうてんれんごうかい

博多駅商店連合会(飾り山笠)(はかたえきしょうてんれんごうかい)

博多駅(福岡市博多区博多駅中央街)は、東海道・山陽新幹線/九州新幹線や九州の主要都市とを結ぶ特急列車、福岡都市圏及び北九州・福岡大都市圏を走る多くの路線が乗り入れ、全ての旅客列車が停車するターミナル駅である。
博多駅商店連合会は、その博多駅及び周辺の商店で構成された商店組合であり、山笠の時期にはJR博多駅前広場の「賑わい交流空間(大屋根イベントスペース)に巨大な山小屋を建て、その中に飾り山笠を立てて奉納している。

九州新幹線全線開通に合わせて、2011年(平成23年)には山小屋をリニューアル。博多シティの空中回廊から見下ろすことも意識したという構造となっており、大きさは高さ13.5メートル、最大幅6メートル、奥行き 10.8メートル。山小屋の柱には、樹齢100年を超える8本の「あや杉」の丸太が使用されており、梁などにも杉の材木が使われている。小屋の横側の壁は3枚の幕で構成されており、左右の幕ははシースルー状の網が採用。遠目から見るとツートーンカラーの小屋に見え、見た人に大きなインパクトを与える。

山笠期間中は博多駅商店連合会の飾り山笠をテーマにしたちびっこスケッチ大会が7月1日から14日まで開催されており、7月下旬~8月上旬頃に表彰式を行い、応募作品は一週間程マイング広場にて展示される。このスケッチ大会は1974年(昭和49年)から始まっており、2025年には51回目を迎えた

歴史

博多駅に飾り山笠が初めて登場したのは1964年(昭和39年)。1963年(昭和38年)12月1日、現在の博多駅の場所に国鉄博多駅の駅舎が開業した事を祝して、博多ステーションビル商店会が博多ステーションビル前に立てたのが始まりである。九州の表玄関にふさわしく、高さ15メートルの大型飾り山笠で(普通の飾り山笠は大体12メートル程度)、飾りも博多人形師の第一人者である小島与一人形師が担当した。標題は表が「大日蓮」、見送りが「伊賀の影丸」。
巨大な山小屋を建設するために組まれた鉄の足場やクレーンを見て、当時の人は「ちょっとしたビル工事場だ」と感想を述べている。

1960年の新聞のインタビューにて、当時の福岡商工会議所会頭であった佐藤篤二郎氏が着工予定の国鉄博多駅の新駅舎について『旅行者のためのビジネスホテルなども考えているが博多観光宣伝のために山笠を飾ることはどうだろうか、その年の最高のものを年中飾り、翌年はまた取り貸えるというのは私の夢かな。』と夢を語っていたが、その願いが4年後に実現した形である。

1964年の飾り山笠は博多駅の落成を記念したものであったため一年限りの奉納だったのだが、1972年(昭和47年)、博多駅商店連合会として8年ぶりに駅前に飾り山笠を立てた。表は「日本号黒田武士」、見送りは「赤銅鈴之助」。以後、毎年奉納を続けており、2022年に奉納50周年を迎えている。

2006年(平成18年)より九州新幹線開通の準備工事が始まり、駅本屋の改築、新幹線ホームの増設や在来線ホームの再編、駅周辺の環境整備等の再開発が行われ、2011年に「JR博多シティ」がオープンし、九州新幹線が全面開通。それに合わせて、山小屋の場所を新しく入居した阪急百貨店の大屋根の下「賑わい交流空間(大屋根イベントスペース)」に移し、新たな山小屋を建設。”新しい九州の玄関口”として、巨大な山笠が観光客らを出迎える事となった。

都市開発に翻弄された歴史

博多駅の飾り山笠は都市開発に翻弄された歴史がある。

オイルショックのあおりを受けて、1974年(昭和49年)は高さ12メートルから約6メートルに小さくされ、場所も駅構内に移された。飾り人形製作費の値上がりなどで製作費が5割もアップしたためで、駅構内だと山小屋を造る必要がないうえ小さくすることが出来るため。
ただ、1975年(昭和50年)は従来通り、駅前広場に従来通りの背の高い飾り山笠を建設している。

だが、1979年(昭和54年)からは再び駅構内へ。今度は福岡市営地下鉄の工事が本格化し博多駅建設が始まった事から、広場が使えなくなったため。工事は遅れ、高い山笠へ復帰するタイミングも延び延びとなっていたが、1985年(昭和60年)に7年ぶりに国鉄博多駅前に立てられることになった。

ラグビーワールドカップ(W杯)の飾り山笠

2019年(令和元年)9月20日に「4年に1度じゃない。一生に一度だ」のキャッチコピーでラグビーワールドカップ日本大会が開幕。熱戦が日本各地で行われた。福岡市でも、フランスvs米国(10/2)などの3試合が東平尾公園博多の森球技場で行われ、JR博多駅前広場にはイベント会場とパブリックビューイング会場が作られ、多くの人が応援に駆け付けた。

この年の博多駅商店連合会の飾り山笠の見送りには「ラグビーワールドカップ2019」が飾られたが、ワールドカップ期間中、その飾りを使用した舁き山笠サイズの特別な山笠が博多駅のコンコースに登場した。飾りも全方位から楽しめる四面飾りとなり、躍動する選手たちや大会公式マスコット「レンジー」などを、山笠の表と見送り(後方)に加え両脇にも飾り付けられた。

山小屋の場所

最寄りの交通機関

JR「博多」、福岡市営地下鉄「博多」より徒歩1分
西鉄バス停「博多駅」より徒歩1分

当番法被

現在の当番法被は、駅の「エ」「キ」の字をあしらった意匠を使用している。その昔は「ステーションビル」をあしらった意匠が使われていた。

現在の当番法被
昔の当番法被