福岡市博多区下川端町の大型複合商業施設「博多リバレインモール by TAKASHIMAYA」と「ホテルオークラ福岡」に挟まれたアーケード「リバレイン通り商店街」にに立てられる飾り山笠。山小屋がないため、”四面飾り”で飾られる。
博多リバレインがある下川端町地区は、明治通りと昭和通りに挟まれた区画で、下川端商店街・川端商店街・寿通商店街があり、昭和30年代から40年代には博多の商業の中心として繁栄した。(旧町名では川端町、下新川端町、麹屋町、掛町、行町、片土居町、下土居町が該当する)
戦後まもない1952年(昭和27年)、寿通商店街が「寿通」として飾り山笠の奉納を開始。1960年(昭和35年)から川端商店街が奉納を開始し(1973年(昭和48年)より「下川端通」に引き継がれる)、一つのエリアに2本の飾り山笠が立つ山笠時期は大いににぎわった。
しかし昭和40年頃から商業地区が天神地区や博多駅地区に移った事で地域の衰退が進み、また長屋的構造等の家屋が老朽化した事で地域発展の弊害となっていたため、下川端地区の再開発事業が始まった。下川端通は再開発工事が始まる前の1991年(平成3年)まで、寿通も1993年(平成5年)までそれぞれ 「飾り山笠」 を建てていたが、再開発事業のために飾り山笠の奉納を休止した。
建設着工が平成8年6月となり、再開発事業の工事のためアルミ製の壁が作られていたが、1995年(平成7年)一部の壁が外され大黒流の舁き山笠が舁き入れられた。これがこれまで通りに走れる最後の年となった。
1999年(平成11年)3月6日、下川端地区および下川端東地区の両地区に「博多リバレイン」がグランドオープンする。(この埼葛日ついての辺りの詳しい説明は一般社団法人九州地方計画協会の「博多リバレイン完成」の項を参照)。旧下川端商店街、旧川端商店街、旧寿通り商店街の一部の店鋪で構成されています。また、6月3日には「博多座」もオープンした。
「寿通」と「下川端通」は博多リバレインの開業をにらみながら「飾り山笠」の復活について協議。「新しいまちの融和のシンボルにしたい」と「博多リバレイン」という名称で一緒に飾り山笠の奉納する事を決定。1999年4月の博多祇園山笠振興会の役員総会で申請し、奉納が了承された。
初奉納は「十六番山笠・博多リバレイン」で、標題は表は博多座オープンを受けて「博多参会暫」、見送りは「満開花咲爺」(共に置鮎琢磨人形師)。山小屋は明治通り沿いに建設された。
なお、1999年7月10日の流舁きでは、大黒流の舁き山笠が下川端地区に4年ぶりに入った。リバレイン通り商店街にはカラーブロックのタイルが敷れているので、路面を傷つけないように台足の 「胴金」 にゴムのカバーを付け、ゆっくりと舁いたという。
2019年(平成31年)、2020年と2年連続で山笠期間に台風が上陸。各流、各飾り山笠は対応に追われた。
平成30年の台風7号では博多リバレインの山小屋は猛烈な風で山小屋がずれ動く事態に陥った。
「法被やら着んでよかけん、すぐ全員集合」と博多リバレイン飾り山笠関係者に緊急連絡が入った。博多リバレインの山小屋の横は明治通りであるため「山小屋が吹っ飛んで人や車を直撃したら、博多には居られん」と、博多リバレインの関係者は最大風速20メートルを超える暴風の中、数時間、芳名板や山小屋を腕力で押さえ続け、追加補強の作業を懸命に行った。
この一件を受けて、近年の大型台風、線状降水帯による豪雨など異常気象が相次いでいる事を鑑みて安全性を協議。結果、博多リバレインの飾り山笠は、ホテルオークラと博多リバレインの間のアーケード下にある「リバレイン通り」に移動させることに決定。流舁きで大黒流がリバレイン通りに舁き入れるという事もあり、山小屋は無くなり四面飾りに。ビル風などを考慮して壁や柱につなぐワイヤーが掛けられて厳重に固定されて展示されるようになった。
ただこの飾り山笠の移動を受けて、大黒流の流舁きの際は、飾り山笠の真横を舁き山笠が通過するという珍しい光景が誕生することになった。
博多リバレインの舁き棒には「川端通」の舁き棒が使われている。昭和38年から使っている舁き棒とのことで『町を支えている棒です』と博多リバレインの役員は言う。
また、飾り山笠である博多リバレインは試し舁きを行う必要はないだが、下川端町は山を舁いていた区域であったため、その古来の習慣を今も引き続き行って試し舁きを行っている。
2001年(平成13年)、「第九回世界水泳選手権大会」(2001年7月16日-29日)にマリンメッセ福岡(博多区沖浜町)で開催され、会場に十二番山笠・博多リバレインの飾り山笠が展示された。この年の見送りの標題は、水泳選手の人形が躍動する 「祝世界水泳福岡」。マスコットキャラクターの「ぱちゃぽ」の山笠人形などが登場していた。
20日に行われる開会式に間に合わせるため、7月15日深夜に飾りを解いた後、解いた飾りを大急ぎでメーン会場のマリンメッセ福岡のロビーに運び込み、18日に再度飾付けし直し、19日から再公開を行った。完成した飾り山笠は各国の人々にインパクトを与え、会場入りした役員や選手が足を止めカメラを構える姿が目立ったという。
博多リバレインの飾り山笠は、2012年から数年間、祭り期間終了後に5-6階にあったアトリウムガーデンに展示されていた。
なお、現在アトリウムガーデンの場所には『福岡アンパンマンこどもミュージアムinモール』が入居しており、この飾り山笠は展示されていない。
その代わりなのか、アンパンマンミュージアムには、山笠風のパネルが飾られている(※2025年時点もまだ飾られているかは不明)。
福岡市営地下鉄「中洲川端」より徒歩2分、「櫛田神社前」より徒歩10分
西鉄バス停「川端町・博多座前」より徒歩2分
リバレインの「リ」と「ハ」の字をあしらった意匠を使用している。