山笠番付が偶数番の山笠(二番、四番、六番・・・)の事。
偶数番号の山笠は優美な飾り付けを行う習わしがある事から、「女山(おんなやま)」とも呼ばれている。
奇数番号の山笠「差し山」には、飾りの上に「大神宮」「櫛田宮」「祇園宮」(櫛田神社の三神)の神額が飾られるが、堂山ではこの神額は飾られない。
その代わり、飾りの頂上には「お堂(=館)」を飾るのが習わしとなっている。お堂を飾る事から「堂山」と呼ばれるようになったものと考えられる。
「櫛田社鑑」には「宝暦五年(1708年)三月公命ありて、一番、三番、五番を合戦山とし、二番、四番、六番を源氏模様などをつくらしめ給う」と記述されている事から、堂山・差し山の形態は1708年から確立したと考えられる。
舁き山笠ではお堂を飾る事はあまりないが、飾り山の場合は「お堂」が飾られており、堂山の習わしはしっかり生きている事がよく分かる。
この番付番号による飾りの違いの習わしは、舁き山笠・飾り山笠共にその習わしに従っている。毎年舁き山笠・飾り山笠共に飾りが変わる理由がここにある。
ただし、固定の付け出しとなっている八番山笠 上川端通は、偶数番であるため差し物を取り付けることはなく、また番外の櫛田神社は番外であるため毎年差し物が取り付けられている。