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体育祭直前! 博多中が「お汐井取り」と「飾り付け」を行いました

昨日は統計史上初めて九州南部が全国最初に梅雨入り。そのためか、記録的大雨に警戒するようなニュースが流れていたこの週末でしたが、何とか晴れ予報に変わり、週末に体育祭を控えた博多中学校関係者は一同ホッと胸をなでおろしたことでしょう。

明日5月18日(日)の体育祭のために、会場設営と共に、体育祭のプログラムで披露する『博中山笠』の最後の仕上げである『お汐井取り』と『飾り付け』が行われました。

午後1時、生徒らは先週作り上げた山笠台を校庭横に運び出し、山笠台の上に設置した枝折(天板)を降ろして、飾りを取り付ける準備を行います。

作業前に、お汐井取りに出る男子生徒と、人形師となる女子生徒らが、先生や保護者、山大工らに挨拶を行い、作業が開始しました。

飾りの図面となる下絵を壁に貼り、飾りのパーツを山笠台の横に運び入れます。

一番山笠では、山大工が飾りを仮組し高さをチェック。少しばかり高く作ってしまっていたため、人形師(女子生徒)が少々心配そうに見守る中、山大工が飾りの骨組みとなる木枠から横木を一本外して収まるように調整します。

二番山笠でも、飾りの仮組を開始。「この絵、アイツに似てない?」「いや、あいつの鼻の形やろ」とワイワイとにぎやかに進みます。

最初は少々遠慮がちだった人形師の女子生徒達でしたが、作業が進むにつれ「人形師、この位置でOK?」と山大工から確認が入ると、「もう少し左側の方にお願いします」「もう少しこっちじゃない?」とイメージに合わせた指示が飛ぶようになりました。

人形師は、インパクトドライバーでのビス打ちにも挑戦。山大工らの手ほどきを受けて、慣れない手つきで木枠と飾りを固定していきました。

飾りが固定されると、その他の飾りも準備が進められます。

固定したビスに色を塗って飾りになじませたり、取り付けられた飾りを見ながらイメージに合うか検討したり・・・イメージする飾りに近付けるために、人形師たちは四苦八苦。クリエイティブの世界は自分たちの想像との闘いでもあるのです。

校長先生は長椅子に座り、生徒達が頑張る姿を笑顔で見守っていました。

飾り付けが進む中、お汐井取り組もいよいよ出発です。出発式で校長先生が「お汐井取りは怪我などがないように願う行事。怪我がないようにお汐井取りをしてきてください。」と挨拶しました。

筥崎宮の箱崎浜まで向かうのは、体力自慢の男子生徒達。先生らや保護者に「行ってきます」と挨拶をしていよいよ出発です。

「オッショイ!」「オッショイ!」と力強く掛け声を掛けて走り始まる生徒達。保護者やその他生徒の手拍子の中、約3.5キロの道のりを進みます。

まだちょっと早い「オッショイ」の声に驚く小学生、突然出会った祭りの掛け声にカメラを向ける人、”そういう時期か”とマンションのベランダから見ている人などなど、箱崎浜を目指す博多中の男子生徒に注目が集まります。

お汐井道をたどり、約30分かけて箱崎浜に到着しました。

『お汐井取り』は箱崎浜の清めの真砂を取って持ち帰る行事で、持ち帰った砂は厄除けとして使います。普段だと干潮で砂浜が見えているので、砂浜に降りて砂を枡に詰めるのですが、残念ながら本日は満潮。何とか砂浜に降りれないかと、男子生徒達は四苦八苦。「濡れる濡れる!」と大騒ぎです。

「おい、あっちの方は浅瀬だからあそこから降りて砂を詰めようぜ」と誰かが提案。そうだそうだと、皆靴と靴下を脱いでふくらはぎまで海水に漬かりながら砂をすくって枡に詰めます。「冷てぇ!」「気持ちいいぃ!」。折しも雨予報が外れ、大洋の日差しが降り注ぎ暑い一日となった午後。しかも学校から3キロも走ってきて身体が火照っている男子生徒。大騒ぎしながら、海水に足を沈めしばしの涼を楽しみます。

「オイサ!」「うわーっ!」・・・始まってしまいました。全身ずぶぬれになって大騒ぎ。ゲラゲラ笑いながら体を拭く男子生徒達。これも今年の思い出の1つになるのでしょう。

色々ありましたが砂を枡に詰め、水分補給の休憩を取ったら、お汐井取り行事の流れに沿って筥崎宮へ参拝します。

提燈を高々と掲げ整然と並んで進む男子生徒達。何が始まった?と不思議そうに見ている他の参拝客も。男子生徒らは参拝を行い、次は櫛田神社に向かって走り始めます。

途中、旧東町筋の御供所通りの杉山ボールト商店さんに立ち寄って表敬。杉山ボールト商店さんは博多中学校の山笠台を作る際、資材を無償で提供してくれた事もあり、お汐井取りの帰路の際には挨拶に訪れているそうです。役員の男子生徒が自己紹介を行い、手一本を入れて表敬。「頑張ってください」という声に応え、男子生徒は櫛田神社に向かって再び走り出します。

「オッショイ!」の声を高らかにあげて進む男子生徒達。櫛田神社に近付くにつれ、沿道の人達からの手拍子が多くなっていきます。櫛田神社境内では人々が手拍子で男子生徒達を迎え入れ、生徒らはお汐井取り最後の目的地である櫛田神社の拝殿に参拝を行いました。

しばしの休憩後、男子生徒達は博多中学校に向けて走り始めます。

校門では保護者や山大工、人形師の女子生徒達が出迎え、山大工らが”勢い水”を掛けながら戻ってきたお汐井取りの男子生徒を手荒く出迎えました。

飾り付けが完成した山笠2基の前まで走った男子生徒達。山笠の前で手一本を入れて、お汐井取りを怪我なく終了させました。

お汐井取り・飾り付けの閉会式では、校長先生が「明日は立派な体育祭にしましょう」と挨拶しました。人形師の女子生徒の代表は「いろんな人のおかげで完成させることが出来ました」と感謝の言葉を述べ、お汐井取りの男子代表は「よか山笠にします」と決意を述べました。

山大工からの挨拶では「まだ一つこの山笠には欠けているものがあります。君たちにこれを渡します」と生徒に長細い袋を手渡します。「ワインじゃなかろうね!」と保護者からヤジが飛びます。生徒達が中に入っている物を取り出してみると・・・

台上がりが指揮棒として使う「鉄砲」が入ってました。「僕が作りました。明日使ってください。」と山大工。渡された生徒に拍手が送られました。

男子生徒は早速鉄砲を手に台上がりして記念撮影。明日の山笠が待ちきれません。

お汐井取りで取ってきた箱崎浜の砂は、怪我がないよう山笠に吊るされました。明日の山笠はこれで準備万端となりました。

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