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山笠奉納の安全を祈願し、承天寺で夏祈祷が行われました

初夏のような快晴となった6月2日(金)、山笠奉納の安全を祈願する「夏祈祷」が、山笠発祥のお寺でもある承天寺の方丈にて行われました。

夏祈祷は午前11時より始まります。
午前10時55分、住職が鐘を叩き、5分前を知らせます。この鐘の合図で、夏祈祷に参加する博多祇園山笠振興会の豊田会長をはじめとした役員や各流の総務らが長法被姿で入室します。方丈には夏祈祷で使用される経典が入った櫃が並べられています。

開始1分前に、もう一度鐘が叩かれます。この合図と共に、読経を行う住職が入室。いよいよ夏祈祷が始まります。

午前11時、夏祈祷が始まりました。
読経の中、住職が今年の山笠に使用するお札を仏前でゆっくりと回し、山笠の無事安全奉納を祈願します。

読経が続く中、住職らは櫃をゆっくり開け、全部で16部600巻に及ぶ『大般若波羅蜜多経』を取り出します。

カーン!という鐘の音が方丈に響くと、読経がひときわ強くなり、住職らは経典を高く掲げてパラパラとめくり始めます。これは『転読(てんどく)』と呼ばれ、経典の題名と初・中・終の数行を読みあげながらパラパラとめくる事で全体を読んだことにする読経の方法です。夏祈祷は、膨大な経典群を転読で読み上げる事で有名な行事です。

転読の独特のリズムの力強い読経の中、蛇腹に折られた経典が滝の水のようにパタタタタ・・・と上から下へ流れ落ちていきます。

転読が終わると、群唱による読経が行われ、山笠の起源である承天寺により山笠の無事奉納が祈願され、夏祈祷は無事終了しました。

夏祈祷終了後、参加者らはご本尊に手を合わせ、山笠無事奉納の安全を祈願していました。