博多の春のお祭り『博多どんたく港まつり』を週末に控え、博多の夏のお祭り『博多祇園山笠』も動き出しました。毎年一番早い山笠となる博多中学校の山笠『博中山笠』が、今年の体育祭での披露に向けて棒洗いと火打ちの縄掛けを行いました。
博多中学校では「博多の伝統文化を学ぶ」という趣旨で体育祭で山笠を披露しており、「山笠をやる以上、最初からすべてやる」というモットーから、山笠の組み立てから山舁きまで全て自分たちの手で作り上げています。
渡り廊下には二基の山笠台が組みあがっており、この山笠台に縄掛けや棒締めなどを生徒が行っていきます。
今日の作業は、博多湾に海水を取りに行き戻ってくる「棒洗い」班と、山笠台の足に縄を掛ける「火打ち縄」班に分かれて、山笠台作りの作業を行います。
この時間帯の博多湾は満潮。山大工が海水を救うために使うバケツに、ロープを「もやい結び」というほどけにくい結び方で結びつけます。これでロープがほどけてバケツを海にリリース・・・という事はないはずです。これで道具は準備完了。
作業&出発前に、これは授業の一環なのでまずは「始めの会」が開かれます。生徒代表が、挨拶で「バケツから手を離さないください」と話し、全員がどっと笑いがおきます。・・・というのも、昨年はうっかりバケツから手を放してしまい海にバケツをリリースして大慌てした経緯があるからです。
次に手伝いをしてくれる山大工らからアドバイスと注意が生徒に伝えられ、いよいよ作業開始です。
台車の音を響かせて、浜宮に向かって一団が出発しました。
本来の山笠の行事としては、舁き棒を浜宮に運び入れて境内で棒を洗うのが通例ですが、博中山笠は二基の山笠の舁き棒、合計12本を浜宮に持ち込むことが難しいため、博多湾の海水を汲み上げて持ち帰り、持ち帰った海水を使って「棒洗い」を行います。
15分ほどで、ベイサイドプレイスの先にある櫛田神社浜宮に到着。先生の指導で、神社での拝礼の正しい作法『二礼・二拍手・一礼』を学びます。こういった事も勉強の一つ。ぎこちない型で浜宮に拝礼をしました。
拝礼が終ると早速海水の汲み上げに掛かります。先輩たちの二の轍を踏まないよう、紐の片方を手首にぐるぐるに巻き、満潮の博多湾にめがけてバケツを投げ込みました。
「クラゲがいるぞ」「全然すくえないなあ」「次誰やー?」全員一回ずつ汲み上げる事になっており、ポリバケツの半分以上は持って帰らないといけません。ワイワイ言いながら、海水を次々と汲み上げていきます。
予定した量を組み上げた所で、学校に戻ることに。タプタプと揺れ動く海水の振動を皆で抑えながら、台車を押して再び学校に戻っていきます。
学校では、山笠台の4本の足の足元に縄を斜め掛けする「火打ち縄」を掛ける作業を行っていました。山大工の指示にあわせて、協力して縄を掛け引っ張り何度も往復させて縄を掛けていきます。
山笠は舁き回ると激しい衝撃が発生しますが、この様な縄が走行中の山笠のねじれや衝撃を逃がしながら山笠台を柔軟に耐えれるようにするのです。
グラウンドには、一年ぶりに取り出した舁き棒12本が並べられました。
博多湾から戻ってきた海水を前に、山大工が今から行う作業の説明を行います。山笠に出ている生徒もいれば、出てない生徒もいますので、説明はしっかり行われます。
洗面器に海水をすくい、舁き棒にかけて縄で作ったたわしで一年間の間に付いた埃や汚れを落としていきます。
どれだけ早くきれいに洗えるか?を競ってしまうのもご愛敬。ワイワイ言いながら、生徒達の手によって12本の舁き棒がまんべんなく洗われてました。
山大工は今年の取締と赤手拭の生徒を集め、棒の順番や高さなどの解説とアドバイスを行います。これも山笠の勉強です。
一年ぶりにきれいになった舁き棒は一日乾燥させてます。次の作業はゴールデンウィーク明けから行い、衝撃吸収用の縄を複雑に描ける「八文字縄」から「棒締め」を行います。「博中山笠」が行われるのは5月17日。本番に向けて博多中の生徒達が動き出しました。