福岡市東区にある九州産業大学の大楠アリーナ2020に、今年の山笠で使われた七番山笠・東流の舁き山笠「志信義 (しんぎをこころざす)」が展示されました。三國志の英傑の一人である「趙雲子龍」が飾られており、三国志ファンにもおすすめの飾りです。
九州産業大学は、山笠の期間中、地域貢献活動の一環として学生たちが自身の専門性を生かし、伝統ある祭りの継承と地域活性化に貢献するため、多岐にわたる「博多祇園山笠プロジェクト」を展開しており、今年も東流の飾り山笠前で留学生らが外国人見物客に対し多言語で通訳を行ったり、学生が博多祇園山笠振興会公式ウェブサイトに掲載する飾り山笠の写真を担当するなど、様々な活動を行っています。
昨年10月には公開講座、今年4月には飾った舁き山笠人形の”山解き”イベントを一般公開して開催するなど、活発に伝統文化を発信する活動を行っています。。
8月2日の日曜日の朝、セミの鳴き声が鳴り響く静かな九州産業大学に、トラックに積まれた舁き山笠飾りと一緒に白水英章人形師や山大工、東流の男達がやってきました。
今年の山笠行事を紹介したパネルを、兒島秀志総務らが楽し気に見て今年の山笠の話をしています。
大楠アリーナの裏手に車を止めて、皆で人形を荷台から降ろします。「その刀、気を付けて!積み込む時、俺頭に刺さったもん。もう人の味おぼえとるぞ」という注意が飛び笑いが起こります。
裏手のドアは全開きにしても人形が通らないので、人形を寝かせて皆腰をかがめながら慎重に運び入れてきます。
大楠アリーナのエントランスまで運び入れると、一旦人形を起こします。飾りを間近に見れるのは、九州産業大学に飾られた時だけの特権です。
間近で見れば見るほど、人形の表情と細かさ、飾りの造形のち密さに目を奪われます。意匠に付けた竜の飾りなどは、このような飾りを作るのが得意なスタッフが手掛けているとの事。趙雲が手にした刀や黄金に輝く玉には敢えて汚しが加えられ輝きが抑えられています。キラキラさせるイメージがある山笠にしては珍しい施しで、白水人形師曰く「派手にしないのが俺の流儀だから」との事。
見送りの火焔も横から見たら八の字状に角度をつけて飾られており、実際に見ると分かりますが、通り過ぎる時の力強さや力強さの羽根のようにも感じるかのように飾られています。
白い外套ですが裏地も見事なもので、「これ、はためかせたいなあ」と和気あいあいと飾り付けが進みます。
「あいた!!」。刀の犠牲者がもう一人増えました。
牡丹などの飾りを付け終わると、ビールケースで底上げした枝折の上に人形を載せて最終飾付けへ。人形の台座の足を枝折の穴に通して固定します。
松を見送り側のパイプに差し込み固定します。昔は山笠が動く大きな行事の日(役日)に松を交換していたそうです。
二引の旗をきれいに広げます。「後ろの壁に貼り付けてたなびかせれん?」とワイワイ。
「もう高さ関係ないから伸ばしちゃおうや」と二引の支柱を伸ばします。山笠期間中、舁き山笠には高さの制限があるのですが、ここはさらに華美に迫力ある飾り付けにしつらえていきます。
杉壁が組み立てられ、台旗(しなえ)が見送り側に。その台旗に「九州産業大学」の文字が。「今年、新調して作りました!」
最後に土台に紅白幕と据え山を示す台幕が巻かれるといよいよ完成です。
記念写真タイム! 趙雲の真似をする子供を撮影するお父さんに「親父もそのポーズで撮らんと!」と冷やかされる光景も。
最後は九州産業大学の方々から謝辞が述べられ、記念写真を撮って飾り付けは無事終了しました。
この飾りはお盆明けの2026年8月17日(月)から2027年4月末まで一般公開される予定で、大学の休業日でなければ大楠アリーナ2020に入場してこの飾りを見る事ができます。
山笠ファンの方、三国志ファンの方、本物の山笠人形を間近で見れるチャンスですので、ぜひ九州産業大学に飾られた山笠を見に足をお運びください。