山笠台を組み、飾り付けを終えた山笠に神を宿らせる神事。
一般的には「御神入れ」と表記されることが多いが、博多祇園山笠振興会が発刊する書籍等では「ご神入れ」という表記が使われる。
この神事によって山笠は『御神体』とみなされる。それ故、この御神入れを行う前の山笠は”山笠”ではない。
そのため、山笠飾りの写真や舁き山笠の飾り付けの様子は公開してはならず、一般公開してもいいのは御神入れを終えてから、というのが博多祇園山笠の習わしである。
(※ただし、飾り山笠は御神体と言えども『飾り』であるため、その辺りは比較的容認されているところがある。7月1日以前でも、完成した山笠の全景でなければある程度は問題ない、という認識もされている。※もちろん飾り山も同様で人形飾りは公開指定はいけないと言う方もいる)
この習わしがあるため、山笠ナビでは飾り山笠の飾り付けの様子を伝えながらも完成形は出さなかったり、御神入れが終わっていない舁き山笠については話題もリツイートも行っていない。7月1日の御神入れが終わってから初めてサイトに全景をアップするように心掛けている。
御神入れは櫛田神社の神職を招き、参加者が神籬(祭壇)を作って行われる。神事は以下の流れで神事を執り行う。(※神事の各名称は神職によって異なる場合がある)
清め祓いの儀では、山笠の表と見送りそれぞれ大幣が振られた後、切幣が撒かれて祓い清められる。
また神を山笠に招く神事であるため、他の神事でが最後に行われる昇神の儀は行われない。
また神事の後には、総務や協賛企業に対し、櫛田神社より「奉納目録授与」が授与される。
この奉納目録授与の後に、山笠を背にして記念撮影が行われるのが通例。
飾り山笠は、一般公開の7月1日の早朝に御神入れが行われ一般公開となる。
例外なのは櫛田神社の飾り山で、6月30日の夕方に行われる水無月大祓祭(夏越大祓祭)の後に行われる。ただし一般公開は7月1日のため、御神入れの後は一旦幕が下ろされるなどの非公開措置がとられる。
福岡ドームの飾り山笠は、櫛田神社と一番距離が離れているため7月1日に神事を行うのが難しく、前日の6月30日に御神入れが行われていたが、櫛田神社の神職の人数が増えた事もあり2016年より7月1日に行われるようになった。
舁き山笠は、流によって御神入れの日が異なる。流舁きが7月10日に行われるため、7月8日頃までには御神入れを済ませる流が多い。千代流は7月1日に御神入れを行い、中洲流は飾り山笠と舁き山笠を合わせて7月1日に御神入れを行っている(※2023年時点)。
山笠は御神入れの後から「御神体」となるため、流の関係者以外が触れぬよう、参加町が交代で「夜警」と呼ばれる夜通しの警護が行われる。