博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

御神入れ(ごしんいれ)

山笠台を組み、飾り付けを終えた山笠に神を宿らせる神事。「御神入れ祭」とも呼ぶ。
この神事によって山笠は『御神体』とみなされる。それ故、この御神入れを行う前の山笠は『飾り』であるため、写真撮影を行う際はご神体になってからという人も多い。
実際、舁き山の写真を公開してもいいのは御神入れを終えてから、というのが博多祇園山笠の通例である。(飾り山は御神体と言えども『飾りの山』であるため、その辺りは比較的容認されているところがある)

飾り山は、一般公開の7月1日の早朝に櫛田神社の神職が飾り山に向かって御弊を振って祝詞を奏上し、御神入れを行う。
例外として、距離が一番離れている福岡ドームの飾り山は前日の6月30日に行われ、櫛田神社の飾り山は6月30日の夕方に行われる水無月大祓祭(夏越大祓祭)と一緒に行われる。(ただし一般公開は7月1日のため、御神入れの後に幕が下ろされるなどの措置はとられる)

舁き山は、舁き出し行事の流舁きが10日に行われるため、8、9日頃に御神入れ行事を行う流が多い。飾り山も一緒に立てる東流、中洲流、千代流は、飾り山と共に7月1日に御神入れを行っている。

祭礼内容は、拝礼、修祓、降神の儀(神をお招きする招霊の儀式)、献栓、祝詞奏上、浄め祓いの儀、玉串奉奠、撤栓、昇神の儀(お招きした神様を天にお返しする儀式)、拝礼が行なわれる。
浄め祓いの儀では、山笠の表と見送りが浄め祓われる。

山笠は御神入れの後に一般公開されることになるが、「御神体」であるため流の関係者以外がむやみに触れたりしないよう、それぞれの山笠には夜中の間交代で「夜警」と呼ばれる警護がつく。