文字通り『山笠を後から押す』男達のこと。この後押しこそが山笠推進の原動力、車に例えるなら「エンジン」である。
後押しの最前列は、見送りの棒鼻に手をかけ、それ以降の列は自分の前にいる者の締め込み部分を押す事で山笠を押し出して行く。
後押しの最前列は、見送りの棒鼻に手をかけ、それ以降の列は自分の前にいる者の締め込み部分を押す事で山笠を押し出して行く。
二列目以降の者の手の置き方は、目の前の者の腰に両手を置いて後押しするスタイル(まっすぐに並ぶ形)と、前にいる左右の者の背中や締め込みの結び目に手を置いて押すスタイル(ジグザグ状に並ぶ形)があり、それぞれ流が受け継ぐスタイルが取られている。
後押しも、舁き手同様に順々に次々と入れ替わりながら任務を遂行する。
見ている限りでは表側の舁き手が速ければスピードが速いイメージがあるが、実際には棒に付いてる者は山笠を持ち上げる役で、スピードの大半はこの「後押し」が司っている。「後押し」は派手さはないが、山笠を進めるためには重要な役割なのである。
だったら、後押しを増やしたらスピードがガンガン上がっていいタイムが出るのではないか?と思われがちだが、それはそれで後押しのパワーが強くなると、1トンの山笠を担いでいる舁き手達がそのスピードについていけなくなり、ついていけなくなったら大変危険な止まり方をする事になってしまう。山笠のスピードを決めるのは、後押しの推進力と、山笠を持ち上げ続ける持続力のバランスなのだ。