中呉服町にある海元寺では珍しい神様が祀られています。それは、なんと閻魔様。
閻魔様というと「嘘ついたら舌を引っこ抜く」と子供に話して怖がらせる事でよく登場する地獄の主。
この海元寺には観音堂・閻魔堂という2つのお堂があり、観音堂には観音様達が、閻魔堂には閻魔様を始め地獄の住人達が祀られており、壁一枚を隔てて隣り合わせで祀られています。壁一枚で天国と地獄が分かれるとはこれ如何に。
普段は格子越しにしか閻魔堂・観音堂を覗く事ができませんが、毎年、初閻魔(1月16日)と閻魔大祭(8月16日)にこのお堂が開帳されます。閻魔大祭の8月16日は地獄の責め苦を描いた貴重な十王図が展示され、地元の人は閻魔詣をする慣習があります。
その閻魔様の像の前には、三途の川で罪人の着物を奪う「奪衣婆」の像がありますが、閻魔大祭の日は奪衣婆に「こんにゃく」をあげると病気の「あく」を取ってくれると言われているため、閻魔大祭ではたくさんのこんにゃくが供えられます。
「あく」という言葉には、体内の「悪」。こんにゃくには「困厄(こんやく)」が掛けられており、こんにゃくを差し出すことで「悪」や「困厄」を取り去るという願いも込められての事だと云われています。そのため、奪衣婆は博多では「こんにゃく婆さん」の名で親しまれています。
場所 | 海元寺 |
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住所 | 福岡市博多区中呉服町10-5 |