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棒洗い、試し舁き、飾り付け、子供山笠の準備・・・とにかくいろいろあった忙しい土曜日!

大雨予報が出ていた本日6月14日。西日本一帯を雨雲が包み込み、西日本の各地では雨模様の一日となりました。

とはいえ、予想されていたほど雨は降らず、山笠行事を行う人々はホッとしたのではないでしょうか。

朝から小雨が降るどんよりとした一日の始まり。

櫛田神社の桟敷席の建設は順調に進んでおり、まずはあ席・い席側の土台が出来上がっていました。

雨が降ったりやんだりする早朝、櫛田神社浜宮では十一番山笠・キャナルシティ博多と十五番山笠・博多リバレインが棒洗いの神事を執り行いました。

午前9時前に浜宮に到着したキャナルシティ博多の参加者は、舁き棒をトラックから降ろすと、博多湾の海水を紐をつけたバケツを投げ入れて汲み上げます。

午前9時より神事が開始。舁き棒と参加者を櫛田神社の神職がお祓いを行います。

汲み上げた海水を舁き棒に注ぎ掛け、タワシで一年間の汚れを洗い落としていきます。最後に真水を掛けて海水と汚れを洗い落としました。

入れ替わるように浜宮にやってきたのは、博多リバレインの舁き棒です。

博多リバレインの参加者は、海水を汲み上げた後、まず神事の前に舁き棒の誇りや汚れを真水を掛けて洗い流します。

棒がきれいになったところで、神事を開始。きれいになった舁き棒に海水を注いで清めていきます。同じ行事でも流や町で行事の順番や習わしが違ったりするのは、山笠の興味深い所です。

最後に真水をざっとかけて海水を洗い流して、博多リバレインの棒洗いは終了しました。

博多リバレインは洗い終えた舁き棒を山小屋に持って帰ると小屋入りの神事を執り行い、棒締めを行いました。

威勢の良い「棒締めた、棒締めた」の掛け声と共に、てこの原理で太縄が締め上げられ、舁き棒と山笠台を固く締め上げていきます。

棒締めが終ると、いよいよ「試し舁き」です。試し舁きとは、棒締めによって舁き棒が山笠台にちゃんといい具合に締めあげられているかを確認するため、飾りが載っていない状態で短い距離を舁いてみる行事です。

まずは山笠台に枝折(天板)を据え・・・

こけないように雪駄から地下足袋に履き替え・・・

縄を切っただけの簡易の舁き縄を用意し・・・

最後に手拭を頭に巻いて、準備完了です。

出来上がった山笠台に、山本成嗣総務らが上がり、参加者が舁き棒に肩を入れます。

捻じり鉢巻き姿の男達が、一年ぶりの舁き棒の感触に心を躍らせます。博多リバレインは飾り山笠ですので試し舁きを行う必要はないのですが、もともとこの町は舁き山笠を舁いていた歴史があり、その歴史を継承して今も試し舁きを行っています。

「1分前!」・・・「10秒前!」「5秒前!」その合図で鼻冠が3回叩かれると、「ィヤァァ!」と鬨の声を上げて山笠台が走り出します。

「オイサ!」の声を響かせて、山小屋が建つ博多リバレインとホテルオークラの間のアーケードの下を往復。突然始まった山笠のデモストレーションにホテルから出て来た観光客らは大喜び。最後、手一本が入れられて締められると、拍手が起こりました。

キャナルシティ博多も棒洗いを終えた後、1階の円形ステージで小屋入りの神事を行った後、棒締めを行いました。

棒締めが終ると、次は飾り付けの作業。リバレイン、キャナルシティ共に、6月26日から解禁される飾り付け作業の日を待ちます。

午後になると雨はほぼ止み、桟敷席建設も櫛田神社境内側のう席の建設に着手。

今日は朝から櫛田神社の飾り山笠・表側の飾り付けも始まっており、小嶋慎二人形師が飾り付けの指示を行っていました。
表の標題は日本神話で日本武尊が熊襲を討つ話を描いた「倭建之西征(やまとたけるのせいせい)」。女装して熊襲を油断させた日本武尊が剣を手に戦う場面を見事な人形で表現しています。このドラマティックでダイナミックなシーンについて、小嶋人形師は「博多人形ではこういう組み合わせのシーンはよく作るが、山笠の人形は大きいのでこういった取っ組み合いのようなシーンを作るのはとても難しい。イメージしながらの製作なので、長年の山笠作りの経験が生きています」と話してくれました。

土曜日という事で櫛田神社の参拝客がとても多い今日、徐々に出来上がっていく見事な飾りを皆驚きを持って見つめていました。

飾付けが終ると、そのまま櫛田神社の棒締めが行われました。今年は様々なスケジュールの兼ね合いもあり、飾り付けの後に棒締めが行われる事に。表・見送りの飾りが出来上がった状態で棒締めが行わるという珍しい光景を見る事が出来ました。

博多小学校では、7月4、5、6日と行われる子供山笠の準備が行われ、小学校5年生、6年生の男子生徒が山舁きに使う舁き縄作りと、棒締めを行いました。午後に入ると、実際に山笠に出ている保護者らのアドバイスのもと、ワラを撚って作る舁き縄作りが行われました。

博多小学校では、7月4、5、6日と行われる子供山笠の準備が行われ、小学校5年生、6年生の男子児童が山舁きに使う舁き縄作りと、棒締めを行いました。午後1時より、実際に山笠に出ている保護者らの指導・アドバイスのもと、ワラをよって作る山舁きに必要な舁き縄作りが行われました。

午後2時からは山笠台に舁き棒を取りつける棒締めが行われ、生徒が交代で舁き棒に掛けられた太縄を締め上げていく作業を行いました。

「棒締めたー!」と掛け声が掛かると「棒締めた!棒締めた!」と元気のよい掛け声が生徒達から上がり、山笠台の上や、山笠台の中に入った生徒が木槌を振るって縄の空気を抜きながら舁き棒を締めあげていきます。

大事なポイントでは山大工からアドバイスを受けると、木槌を斜めに振るって叩いたりと、アドバイスに合わせて山笠台作りを勉強していきます。

「次、やりたい人!」と先生が声を掛けると「ハイ!ハイ!ハイ!」とドッと手が上がり、先生がのけぞるシーンも。生徒達も積極的に山笠台作りを行いました。

山笠台が出来上がったら、恒例の試し舁きが行われました。雨が降ったせいでグラウンドが少々緩く、山笠台の足が沈んでしまう(博多弁で”いぼる”)事もありましたが、必死に山笠台を持ち上げて山笠台を前進させていきます。

舁き出しの時に鳴る「ドン!ドン!」という太鼓は、女子生徒の役。女子生徒が鳴らす太鼓と歓声の中、山笠台はグランドを走っていきます。

途中で舁き手達をBチームに交代。舁き棒に肩が入るとぐっと顔が引き締まり、山笠の男の顔に。

前走り役の生徒達には手荒い勢い水が飛び交い、水が飛ぶたびに大騒ぎです。

「声出していくぞー!」「おー!」前走りの生徒が気合の声を上げます。

「イーチ!ニーの!」「ヤー!」舁き手達も負けじと声を張り上げて、試し舁き2本目がスタート。

「オイサ!」「オイサ!」の掛け声に合わせ、保護者や女子生徒らからの歓声と拍手が後押しし、山笠台は無事完走。無事試し舁きが終了しました。

試し舁きが終ると終わりの会。今日一日の作業は、伝統を学ぶ授業の一環なのです。

終わりの会では今年の標題は、花咲じいさんをテーマにした『博多絆花咲(はかたのきずなにはなをさかせ)』と発表されました。
昨年末、子供山笠の世話人を長年務めた河原由紀夫さんが亡くなった事に触れ、この標題には河原さんがいない悲しい中でも今までの絆に花を咲かせようという意味を込めて「花咲かせ」という呼びかけるような標題にしたという事で、河原さんから教わった事を受け継ぎ繋いでいく思いが込められています。

明日はいよいよ月の真ん中、折り返し。大人も子供も様々な思いを込めて、7月に向けて山笠の準備を進めています。

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