梅雨明けしたかのような刺すような日差しが降り注ぐ晴れの一日となった博多の街。福岡では最高気温33.4度を記録したようです。
来週より舁き山笠が動き始めるため、まだ山小屋建設をしていなかった流も山小屋が完成。出来上がった西流の山小屋の向こうには、追い山笠馴らしの廻り止めの幕が見えます。
本日7月5日(金)、一番山笠大黒流が、完成した舁き山笠に神を込める『御神入れ』の神事を執り行いました。
一昨日の3日(水)に棒締めを行い、昨日4日(木)に人形の飾り付けを終え、そして本日完成した舁き山笠に神を込めて御神体にします。
青空の下、人形を担当した西山人形師もにこやかに談笑する姿も見られました。
午前11時、大黒流の御神入れの神事が始ます。
参加者を櫛田神社の神職が祓い清めた後、阿部宮司が降神の儀で舁き山笠に神様を迎え入れます。
祝詞が奏上すると、阿部宮司は舁き山笠の表と見送りを大幣で祓い切幣を撒いて祓い清め、舁き山笠は『御神体』となりました。
玉串奉奠の直前、心を鎮めるように軽く目を閉じた柴田総務。
フッと力を籠めて立ち上がり、玉串を神前に奉納し、一番山笠として無事奉納が出来るよう祈願しました。
最後に奉納目録が手渡され、笑顔で目録を皆に見せた柴田総務。
最後は櫛田神社に向かって遥拝し、神事を無事終えました。
今年の標題は「真骨頂(しんこっちょう)」。大黒天の柔和な笑顔が印象的な人形です。膝の上には大黒天と共に扇子と杯を仰いでる小さな白ネズミが座っています。
7月の最初の週末は子供山笠が動く時。本日より博多小の子供山笠と千代流の子供山笠が動き出しました。今年の6年生は低学年の時にコロナ禍で我慢を強いられた年代の子。山笠が舁ける喜びが戻ってきたのではないでしょうか。
千代流の山小屋では、赤ちゃんを抱っこして記念撮影を行っているご家族の姿が見られました。
本日行われる千代流の子供山笠の飾りは、この大人の山笠の人形を子供にしたデザインとなっています。
山据えが行われている千代小学校のグラウンド。記念撮影を行う長蛇の列ができており、子供を山笠に座らせて写真を撮る両親の姿が数多く見られました。
舁き出し時間が近づくと、大人たちが校門前に山笠を運びます。
舁き棒や縄にたっぷり水を掛けて締めると、子供達は舁き棒に縄をかけて棒に付き、舁き出し時間である午後3時の時を待ちます。
午後3時、台上がりの子が「♪祝いめでた~ぁのぉ~」と歌い始めると、大人達が共に手を入れながら祝いめでたを唱和。歌い終わると「ィヤァ!」と鬨の声を上がると同時に、重い山笠がぐっと持ち上がり、「オイサ!」の声と共に校門を飛び出していきました。
前走りの低学年の子供達も、勢い水を浴びながら元気よく「オイサ」「オイサ」と声を上げて、山笠を先導していきます。
とにかく気温が上がり蒸し暑い午後だった博多の街。勢い水を浴びながら走っても熱くなった子供は、「水掛けて!」と沿道の子に声を掛けると頭からザブザブ水を掛けもらい「ひゃー!」と声を上げる姿を見てお互い爆笑する姿も。
千代の交差点を先走りの子供と子供山笠が横断していくと、さらに沿道からザブザブと勢い水が弧を描いて掛けられていきます。
「オイサ!」の声高らかに進んでいく千代流の子供山笠。子供山笠は明日も行われ、山小屋では大人の山笠と相対する親子対面式が行われます。
千代流の子供山笠と同時刻、博多小の子供山笠「博多流」も博多小を舁き出し、本日は旧奈良屋と旧大浜地区で流舁きを行いました。
博多小の子供山笠も元気の塊そのもの。「声を出していくぞ!」「オー!」と声を上げ、上級生が山笠を力強く持ち上げ山笠を舁いていきます。
先走りを行う低学年は招き板を前後に振り山笠を呼び込みます。山笠はそれに招かれるかのようにズンズン進んでいきます。
大きな道を渡る際は、安全のために大人が運びます。大人が舁く子供山笠はある意味貴重なシーンです。
子供山笠は旧大浜地区を駆け抜けていきます。打ち鳴らされる太鼓の音と、子供達の元気な「オイサ!」の声が昔ながらの街並みに響き渡ります。
先生から「まだまだ元気にいけるやろ?!」と檄が飛ばされ、子供達も「ハイ!」と応じます。
山笠は地域の人達から多くの拍手と声援と勢い水を受けながら、大浜地区を走り抜けていきました。
博多小の子供山笠もこの週末も行われ、明日土曜日は旧御供所地区を走り抜けます。