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山笠ナビ山笠ナビ通信山笠ニュース「追い山笠」が齋行され、令和八年度の博多祇園山笠が無事閉幕しました

「追い山笠」が齋行され、令和八年度の博多祇園山笠が無事閉幕しました

流舁きが終わって3時間後。夜のとばりが下りた福岡の町が、追い山笠に向けて動き出します。

午後8時、新天町の飾り山笠の山解きが始まりました。今年で“しばらく”のお休みを発表した新天町の飾り山笠。この山解きを持ってそのお休みが始まります。

山大工が手際よく飾りを飾り山笠から外し、人形師が片付けやすい形に整えてトラックに積み込んでいきます。飾りを解き終わったら矢切の解体に入りました。

飾り山笠が休止となれば、天神唯一の子供山笠も今年でしばらく休止。その子供山笠も山解きが始まります。

新天町の山笠を担当していた小副川太郎人形師、山解きをしながら「寂しいですね」。長年手掛けた新天町が一時休止とはいえ、来年から手掛けれない事についてそう話しました。

今年から担当する飾り山笠が2つ(櫛田神社、博多リバレイン)も増えた小副川人形師。製作スケジュールが大変だったようで「本当は子供山笠の人形にも長素襖(ながすおう)(※市川家の3つの升模様が描かれたあの赤い大きな袖)を付ける予定で作ってたんですが、完成する前に納品になっちゃって付けれなかったんですよね」と苦笑い。「長素襖を付けた状態にして、この飾りをどっかで飾ってもらえないかなあ」と、”しばらく”お休みとなる子供山笠の人形を取り外しながら話してくれました。

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新天町の飾り山笠にほど近いソラリアプラザに飾られた飾り山笠も次々と飾りが解かれていっていました。

上川端商店街の川端ぜんざい広場に飾ってあった、昨年の八番山笠・上川端通の飾りも山解きに。山を解いた後、今度は9時間後に走る飾り山笠がここに収まります。

表には土居流の山小屋があるため、今年は表側のシャッターは閉めて、裏側から搬出。取り外した人形や飾りを川沿いから搬出していきます。

衝撃を与えたアニメ【推しの子】の飾りも本日まで。一つ一つキャラクターの人形が下ろされていきます。

主人公アイの足が膝を境目に上と下でくっきりと色が分かれていました。一年間の展示で膝下が日で色あせてしまっています。「もう、全ての飾りが色があせちゃって」と苦笑いする田中勇人形師。一年間展示をする飾り山笠を手掛ける事の苦労がうかがい知れます。

午後11時の櫛田神社。煌々と中継用の明かりがたかれ、不夜城のような状態です。

中継の準備も最終調整段階に。能舞台には来賓が追い山笠行事を見るひな壇が作られ、恵比須会館で行われていた山笠華道展の看板が取り外されていっていました。

露店は追い山笠が終ると閉店。祇園饅頭も今日で食べ終わりとなります。販売最終日という事で、買い求める人の姿が多く見られました。

先程山解きが行われていた新天町の舁き棒が櫛田神社に到着。飾り山笠と子供山笠の二種類が櫛田神社に預けられます。この棒が再び博多湾の海水で現れるのは数年後。それまではしばらく休憩です。

拝殿では午前3時から執り行われる祇園例大祭の準備が完了していました。

桟敷席の周りには、桟敷席の場所取りをしている人たちが列を伸ばしつつありました。桟敷席の入場が行われるのは午前2時。まだまだ待ち続けなくてはなりません。

今夜は一晩中明かりがついたままの櫛田神社の飾り山笠。脇に置かれたベンチで飾り山笠を楽しむ人たちの姿が見られました。

n中洲流の飾り山笠も本日で見納め。「目に焼き付けとかないとなあ」と見物客がつぶやきます。山解きが始まるまで、その豪華絢爛な光景を眺めていました。

時計の針が一番天辺を向きました。7月15日0時0分。追い山笠まであと4時間59分となりました。日が変わると同時に、一斉に飾り山笠が山解きを開始します。古来からの習わしで追い山笠が始まるまでに飾り山笠は解かないといけません。

今年、山笠が四つ並ぶという事で注目を浴びた川端中央街の飾り山笠も0時より山解きを開始。台幕が外され、電源コードが取り外され、山笠の下の飾りから解かれていきます。

川端中央街からほど近い博多リバレインの飾り山笠も山解きが始まりました。山大工が次々と飾りを外し、担当人形師が針金やビスを外して整理してトラックに詰め込んでいきます。

見送りの分福茶釜のタヌキの人形が下ろされ、手に持った傘や扇子が取り外されます。新天町の山解きを終えた小副川人形師は休む間もなく、担当した博多リバレインの山解きに入っています。

表の飾りの騎馬人形も慎重に慎重に外されトラックへ。あまりの大きさにトラックの荷台入り口で少し引っかかり、向きをずらすなどして一苦労していました。

真夜中なので飾り山見物をする人もほとんどいませんが、解かれるのを待つ山笠を見て回って最後の写真を修めている人もいました。

しかし、追い山への準備は着々と進んでいきます。追い山笠のコースの沿道には各流や各町が勢い水がたっぷり入ったバケツを配置して回ります。

中洲流では舁き山笠が飾り山笠の前に据えられ、当番町が各町に集合を伝える「もーろーろー」の行事が始まります。オッショイの声を響かせながら中洲の町を走り抜け、各町の詰所にて「もーーーろーーーろーーーーーー(もうどうぞ来てください)」と伝えて回ります。

午前1時になると各舁き山笠は、土居通りに集合するため舁き出し準備を行います。いよいよ4時59分に向けて舁き山笠が動き出します。

午前1時50分、山小屋を舁き出した一番山笠中洲流を筆頭に、次々と土居通りに山を据えていく「山列入り」が開始。山列に入った流の男達は、町単位で隊列を組んで櫛田神社に参拝を行います。

全ての流が土居通りに集結。午前2時になると桟敷席も開門となり、一気に土居通りと櫛田神社周辺に人が増え、ざわざわした高揚感に櫛田神社一帯が包まれていきます。

各流の舁き山笠の前で、各流の構成町が追い山笠への参加を行う挨拶である「手打ち」を開始。あちらこちらでオッショイやオイサの声が上がり、他町や他流の男達が拍手をして手打ちの町を出迎えます。

手打ちと同時に男達の櫛田神社参拝もどっと始まり、町単位で櫛田神社拝殿に参拝を行います。

午前3時より拝殿では、祇園例大祭が始まります。この神事の様子は場内にも音声中継が行われます。

参加者たちは記念撮影を行ったり、雑談したり、”その時”が来るまで思い思いの時間を過ごします。

祇園例大祭も齋行され、それを受けて追い山笠行事も齋行される事が可能になりました。午前4時を過ぎ、土居通りは歩道も車道も人でいっぱいです。

桟敷席には櫛田入りを見るために集まった人たちが長時間座って待ち、清道の中には男達が次第に壁を作っていきます。

太鼓台では博多祇園山笠振興会の本部役員が、そして公式時計記録係の幸田時計店の方々が山列を見つめます。舁き出しを知らせる太鼓を叩く神職も白い手袋を着用し、その時に備えます。

午前4時50分。山留に入った中洲流の舁き山笠。台上がりした総務が御神酒をラッパ飲みで口に含みます。緊張感高まる時です。

スタートを告げるのは、この竹竿。竹竿がグンと上に引っ張り上げられると舁き出しが行われます。

子供達の先走りが桟敷内に駆け込んでいきます。清道をぐるりと回り、舁き山笠がやってくることを告げていきます。いよいよです。

午前4時59分。5秒前からのカウントダウン、竹竿がさっとあがり太鼓がドンと叩かれると「ィヤアアアアアア!」の声と共に、中洲流の舁き山笠が一気に駆け出し、清道内に駆け込みます。

能舞台前に舁き山笠を据えた中洲流。誉の祝いめでたを歌い上げると、砂埃を上げながら清道を駆け抜け博多の町へ飛び出していきました。

中洲流が博多の町へ飛び出していくと、各流の次々と先走りが清道に入り、舁き山笠が櫛田入りを行っていきます。

舁き山笠は第一清道の東長寺の旗を回り、第二清道の承天寺の清道を回ります。

そして道幅が狭い旧東町筋へ。

旧東町筋を北上した舁き山笠は、目抜き通りの大博通りに出て今度は南下していきます。広い道ゆえに舁き手の交代がバランスに不安定さを生み出し、舁き山笠が蛇行し始めます。台上がりは真っすぐ進めるよう必死に指示を出していきます。

大博通りから再び道幅が細い旧西町筋へ入る舁き山笠。待ち受けるは、勢い水処の勢い水ラッシュです。

勢い水処を越えると追い山コースも後半戦。参加者の顔に疲れが見え始めますが、必死にオイサの掛け声を掛けながらゴール地点の須崎を目指します。

昭和通りを横切って、奈良屋町を駆け抜ける舁き山笠。いよいよ須崎地区へ入ります。

七番山笠・東流の舁き山笠が廻り止めの門の下をくぐると拍手が巻き起こります。七つの舁き山笠が無事奉納を終えた瞬間です。

廻り止めに舁き山笠が到達するとすぐにタイムが計測されボードに書かれて、石村萬盛堂の特設計測台に掲げられます。東流が七流で一番良いタイムを叩き出し、タイムの啓示を見た瞬間観客がどっと沸きました。

朝日が昇る博多の町に舁き山笠が流の山小屋へ戻っていきます。最後の山舁きです。

山笠が終ると、見物に来ていた人は三々五々散っていきます。家路につく人、学校に行く人、仕事に向かう人・・・皆、山笠の余韻に浸りながら日常生活に戻っていきます。

各流の山小屋では、飾りを取り外し舁き棒を次の当番町に引き継ぎます。博多祇園山笠は、もう来年に向かって動き出しました。

次々と祭りの余韻が消えていきます。露店は閉店し、沿道のバケツも即座に片付けられていきます。山小屋も次々と消えていき、祭があった事さえ忘れてしまかのように6月1日以前の毎日の風景が戻ってきました。

櫛田入りが終わるとすぐに、櫛田神社の能舞台では午前6時より鎮めの能が披露されます。鎮めの能は、荒々しい追い山笠行事で奉納されて荒ぶった神と騒音が渦巻いた社頭を鎮めるため、能を奉納してご神霊を慰さめる神事で、この能を奉納して博多祇園山笠は『無事奉納を執り行った』ということになります。テレビ局が撤収作業を行う中、鼓の音が静かに清道に響きます。

清道の前にずっと掲げられていた注連縄が付けられた笹竹(斎竹)も外され、祭が終わった事を実感します。

熱気あふれた令和八年度のの山笠は無事奉納と相成り閉幕しました。しかし、もう祭りは始まっています。次の追い山まで、もうあと365日です。