昨日6月12日(水)午後6時より、博多区下川端町にあるホテルオークラにて、『博多祇園山笠振興会 創立70周年記念式典』が行われ、博多祇園山笠の関係者319名が参加。創立70周年を盛大にお祝いいたしました。
博多祇園山笠振興会は、戦後の山笠復興の気運を受けて1949年(昭和24年)に結成した「博多山笠振興期成会」が、1955年(昭和30年)に祭の一層の充実と発展を図るために発展的解消と共に新たに設立された団体です。
博多祇園山笠振興会は、戦後の山笠復興の気運を受けて1949年(昭和24年)に結成した「博多山笠振興期成会」が、1955年(昭和30年)に祭の一層の充実と発展を図るために発展的解消と共に新たに設立された団体です。
会場には、櫛田神社より運ばれてきた追い山笠で打ち鳴らされる大太鼓が、出番を待っています。
午後6時、会場の照明が落ち、暗闇の中から「30秒前!」のアナウンスが響き渡きます。そして「10秒前!」で大太鼓がスポットで照らされ「5秒前!」「3」「2」「1」と告げられると、博多祇園山笠振興会の人達が威勢よく「ヤァーッ!」の鬨の声を上げると同時に、追い山笠を彷彿とさせる大太鼓が打ち鳴らされ、拍手の中式典は山笠らしい開幕で始まりました。
壇上に立った武田忠也会長は、苦難のコロナ禍の2年間を振り返りつつ、「70年前、期成会から振興会に変えた時、初代会長の落石(栄吉)会長は、古き良き伝統を守りつつ戦後の新しい山笠に変えようと苦労されました。また、私の前に10人いる歴代の会長はその時代その時代に苦労された事で今の振興会、博多の山笠があります。今は何でも簡素でコンパクトにする時代ですが、私たちは先輩や先人の意見を聞き、若手の意見も聞き、コツコツと考えながら、謙虚な姿勢で山笠を継いでいきたいと思います。」「色々な方の力を借り、またご教授のもと、未来永劫に博多祇園山笠が栄えていくことを祈念したいと思います。これからも博多祇園山笠振興会をよろしくお願いします」と、これからの山笠に向けての抱負と、山笠に関わってくれている方々へ感謝を述べました。
そして、武田会長より櫛田神社の阿部憲之介宮司に、創立70年を記念して櫛田神社への奉納物の目録が贈呈されました。
武田会長に引き続き、壇上に上がった阿部宮司は、まずは「最初に言っておきたいのは、今日の新聞では私は博多弁で喋ってますが、標準語も喋りますんで、今日は標準語で挨拶させていただきます」と切り出すと、会場からどっと笑いが起きました。
そして「祭りは地域の財産です。祭りがあると世代を超えて交流できますし、祭があると地域の歴史や成り立ちを秘めていますから、地域のアイデンティティを大切にすることに繋がっていくのではないかと考えます。博多の街は皆さんの町で、山笠は皆さんのお祭です。この町がもっともっと元気になるように頑張りましょう!」と挨拶を述べました。
また、来賓祝辞として、長法被姿の高島宗一郎福岡市長と、長法被を羽織った服部誠太郎福岡県知事が登壇。
高島市長は「福岡市としても山笠の魅力を国内外の皆さんに知っていただき、皆さんに愛される祭りになっていけるように、しっかりと後押しさせていただきたい」と述べ、服部県知事は「県政のチャレンジで『時代を担う人材を育成する』事を一番に掲げているが、若い人たは諸先輩方の熱い思いを引き継いでいってもらいたい」と述べました。
そして司会の逸見明正氏の「オイサ、オイサ、オイサ」の掛け声と共に、壇上の人々が木槌を振るって鏡開きを行った後、皆で乾杯を行い、祝宴が始まりました。
ステージでは、博多民謡協会による「博多かっちり節」「博多山笠音頭」などの舞踊が披露され、KBC九州朝日放送のライブラリーから初めての山笠中継の映像やハワイ遠征時の映像が上映され、場を盛り上げます。
歓談の時間では、和気あいあいとした空気の中、流や法被の柄関係なく様々な場所で酒を酌み交わしながら、積もる話に花を咲かせる光景が多くみられました。
お開きの時間が近づき、博多恒例の博多祝い唄(祝いめでた)と手一本の時間へ。
壇上には博多祇園山笠振興会の後藤久義参与、豊田侃也顧問、井上貴博相談役、武田会長が上がったところ、司会の呼びかけで高島市長、服部県知事、阿部宮司、田村靖邦筥崎宮宮司、神保至雲承天寺住職も壇上に。
御年92歳を迎える博多祇園山笠振興会の後藤久義参与が「山笠のおかげで元気だ。絶対に年を取ってたまるかと思ってる」と挨拶をすると会場中から笑いが上がります。そして「博多は一つ!」と力強く述べ、朗々と博多祝い唄を唄いあげます。
後藤参与に続いて、豊田顧問、井上相談役が祝い唄を唄いあげ、最後に武田会長が会場の全員と博多手一本を入れ、式典は無事終了しました。
出席者には、三国志から引用された「龍臥龍飛」と描かれた記念扇子と、376ページにも及ぶこの10年の山笠の出来事や歴史をまとめた「博多祇園山笠振興会七十年史」が配られました。
令和六年の博多祇園山笠開幕まであと2週間。
70年の節目を迎えた博多祇園山笠振興会は、また新たな歴史の1ページを紡ぐため歩き出しました。