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2023年の山笠の季節が到来! 本日より山笠”準備”期間に入りました

台風2号の進路が予想より南にずれたためか、6月1日の予報が大雨から曇りに変わり、天気予報を見ながらやきもきしていた山笠関係者はさぞかしホッとしたことでしょう。本日6月1日(木)より博多祇園山笠は祭りの”準備期間”に入りました。今日より祭りの正装である当番法被(長法被)の着用が認められます。さっそく上川端通、恵比須流、千代流、東流は行事を行い、今年の7月1日に向けてスタートを切りました。

早朝7時の櫛田神社。八番山笠上川端通の男達が、本日より解禁となった当番法被で身を包み、櫛田神社に山笠の象徴でもある舁き棒を預かりに集まりました。8時半より櫛田神社浜宮にて棒洗いの神事を行うためです。

集まった男たちはまずは櫛田神社を参拝します。全員で手水舎で手を洗って浄めます。

「柄杓が戻って来たなあ」

男たちの間から声が。コロナの影響で手水舎から水を洗う時に使っていた柄杓が消えてましたが、今年ついに復活。今年通常開催を目指す博多祇園山笠ですが、こういった所にも日常が戻ってきたことを実感します。

全員で櫛田神社を参拝し、さあ棒洗いの準備です。

山笠の舁き棒は、祭り以外の時は櫛田神社が管理しており、山笠の時期は流が棒の引き渡し用の札を櫛田神社に預けると棒と交換してもらう仕組みです。
引き換えの札を渡すと、倉庫に入り他の流よりも二回りぐらい長い”走る飾り山笠”用の舁き棒を引っ張り出しました。

その上川端通と同時刻、七番山笠恵比須流が山小屋の場所で神事を行うため、櫛田神社の神職と神棚を迎えに来ていました。若手が手際よく神棚を車に積み込んでいきます。

神事を行う山小屋建設予定の場所では、運んだ神棚を当番町の男たちが中心となって神棚を組み立て、注連縄を張り巡らせます。

道路使用許可を取っての神事なので、この道に入る昭和通り沿いの入り口には看板を立てて注意喚起を行っていました。

他の流は注連下ろしを7月1日行いますが、恵比須流は旧歴の日付に合わせて毎年6月1日に行っています。1年ぶりの山笠、1年ぶりの当番法被という事で、男たちの顔からは笑顔がこぼれます。

午前8時、七番山笠恵比須流が「注連下ろし」の神事を開始しました。

櫛田神社の神職からお祓いを受け、無事奉納を祈願する祝詞が奏上されます。

「注連下ろし」は、山小屋を建て飾り山笠を奉納する地域を祓い清める神事で、神職はこの地域の出入り口となる「辻」を大幣をふるい切幣を撒いて祓い清めて行きます。

また、山笠期間に配られる手ぬぐいや扇子等の道具、この後祓い清めた辻に立てかける笹竹と注連縄も共に祓い清められました。

最後に玉串奉奠を行い、無事奉納を全員で祈願しました。

岩本宏憲総務は神事後のあいさつでは「早い梅雨入りで天気を心配してたが雨も降らず安心した。皆様のますますの支援をお願いしたい。」とあいさつしました。
また、インタビューでは「今までは”できるんかいな” “できんとかいな”という事を心配していた」とこの3年間の苦悩を語り、「そういうことを考えなくて、山笠がやれることの幸せを感じている」と山笠が行えることを心から喜びました。

当番町の男たちは、神事後、笹竹に注連縄を張って、祓い清めたばかりのこの地域を”聖域化”する作業を行います。

車の往来に注意しながら、高さや角度を確認しながら、区域の出入り口に注連縄を張っていきました。

六番山笠千代流は、午前10時30分より千代流の倉庫にて、山笠作りや山小屋建設の無事を祈願する「小屋入り」の神事を行いました。

千代流は、本日の早朝から注連縄を張った笹竹を当番町の区域につながる道の出入り口に掛けており、準備万端で小屋入りの神事を迎えました。

午前10時30分、神事がスタート。祭壇の先には、山笠台の材料がきれいに並べらています。

神事に参加した男たちは、無事奉納を願いつつ、櫛田神社の神職が奏上する祝詞に耳を傾けました。

千代流とほぼ同時刻の午前11時。三番山笠東流も御供所町にある安河内木材の倉庫にて「小屋入り」の神事を執り行いました。

櫛田神社の神職は神事参加者を祓い清めた後、山笠に使用する道具や具材を祓い清めて回り、その場に塩を撒いて無事奉納を祈願します。

最後に山口浩志総務らが玉串を捧げ、小屋入りの神事は無事終了しました。

博多の町に雪駄の音が鳴り響き始めた6月1日。一足早く梅雨入りをした博多の町に、”熱い”山笠の季節が再びやってきました。