山笠ニュース & レポート YAMAKASA NEWS & REPORT

山笠ナビ山笠ナビ通信山笠ニュース山下良平さんの作品展「Blue Ocean」にて山笠の新作が展示中です

山下良平さんの作品展「Blue Ocean」にて山笠の新作が展示中です

福岡市中央区春吉(ホテルニューオータニ裏)のTAGSTÅ GALLERYにて、現代絵師 山下良平さんの2年ぶりの作品展「山下良平 Blue Ocean」が開催されています。

TAGSTÅ GALLERYは、立ち飲みコーヒースタンドTAG STÅに併設されたギャラリーで、おいしいハンドドリップやエスプレッソを楽しみながら作品を楽しむことができる空間です。

山下さんの絵のテーマは「躍動」。その激しくも緻密な躍動感あふれるタッチが多くの人を魅了しており、近年では2023年のサッポロ黒ラベル箱根駅伝缶アートワークや、漫画「キングダム」の世界を描いたコラボシリーズなど、様々なシーンで活躍しています。今回の作品展でも、これらの作品が店内やギャラリーに展示されており、訪れた人たちはコーヒーを楽しみながら見入っていました。

今回の作品展の名前が「Blue Ocean」となっているように、今回「水」をテーマに扱った「躍動」の作品が多く展示されていますが、博多の水と言えばもちろん「勢い水」。山下さんが作品展ごとに発表している博多祇園山笠をモチーフにした「Yamakasa」の新作「Yamakasa 4」が、今回も展示されています。

今回の作品は、青を基調とした色使いの作品で、清道旗を回るような舁き山笠の様子を描いています。 遠心力を感じさせるような外側に引っ張られながらもグイっと方向を変えていく舁き山笠、その山笠と共に走る男たちの流れ、そして飛び交う勢い水。まるで激流の水のように見える、力強くもしなやかな山笠の姿がそこにあります。

この勢い水の描き方を色々試した、と山下さん。ただの描き方では勢い水の力強さと飛び交い方が出ないと様々なやり方で試してみて、キャンバスを逆さまにして手首のスナップを利かせて巻きながら筆を振ると重力感が出るタッチが出たそうです。
「今までで一番いいYamakasaが描けたと思ってます」とにこやかに話してくれました。(*なお、この作品、すでに買い手がついてました! お目が高い!)

ちなみに、この絵のモデルはあるんですか?と聞いてみたところ、笑いながら「私が持っているイメージの山笠なので、特にモデルはないんです」のことです・・・!

しかも、この山笠の絵。なんと同じ構図で描いた山笠の壁画がギャラリーの近所にあるとのこと。
「山笠ナビさんなら喜んでもらえそうな絵ですよ!」とのことなので、その「壁画」を見に行ってみることに事にしました。

その場所は、福岡市中央区春吉3丁目にあるホテル「クロスライフ博多天神」。ギャラリーから約550メートル、徒歩7分程度の場所にあります。

ロビーの壁には、黒基調で描かれた「Yamakasa 4」の巨大なウォールペイントが。絵の具の厚みも相まって、まるで壁の向こうの道を走っていく光景のような迫力があります。ほぼ同じ構図なのにギャラリーで見た絵とはまた違う雰囲気の山笠に見ている人は圧倒されます。

山下さんの解説によると、2017年に発表した山笠の絵のイメージで、この壁画を描き、そしてギャラリーに展示している「Yamakasa 4」を制作したとのこと。山下さんの飽くなき作品作りが垣間見えるエピソードと、それが生んだ2種類の山笠の絵でした。

この作品展「BlueOcian」は4月16日(日)まで開催され、朝7:00から夜20:00まで見ることができます(山下さんは金、土、日曜日の午後に在廊予定だそうです)。早朝からコーヒーを楽しめるコーヒースタンドの併設ギャラリーなので、出勤前などにコーヒーを飲みながら絵を見て元気をもらって一日頑張る、というのもいかがでしょうか。