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払暁の博多にオイサの声! 朝山が行われました

3年ぶりの流舁きから約12時間後。まだ夜が明けていない時間帯より、7月11日の博多は動き出します。この日全流では朝山が行われ、朝明けきる前から山が動きます。

恵比須流は、今年は午前4時半から舁き出し。昨日の山舁きが終わったのは午後7時過ぎ。しばしの休憩を取った後、再び男達は朝山を行うため山小屋に集まります。

まだまだ空が真っ暗な午前4時半。手一本を入れた後、恵比須流の舁き山が動き出しました。

午前5時からは、大黒流・中洲流・東流・千代流・土居流の5つの流が各山小屋から舁き出します。

大黒流の朝山は祝儀山。山笠期間の中で、唯一子供を乗せて山舁きを行います。杉壁の内側に子供達を乗せ、功労者は帷子を着用してこの日の山舁きを祝います。

午前4時59分55秒「5秒前!」の声が。そこから5つ棒鼻を叩き、午前5時鬨の声を上げて大黒流の舁き山が勢いよく山小屋から飛び出ていきました。

土居流も午前5時に舁き出し。櫛田神社で櫛田入りを行った後、土居通りを北上していきます。

東流も午前5時に舁き出し。午前4時過ぎに全長の手打ちを行った後、子供を台上がりさせて”祝儀山”が舁き出しました。

東流は午前6時半に子供の神様を祭る万四郎神社へ。この場所だけ、台上がりは子供だけが行い、総代や取締など大ベテランの方々が舁き手となって神社まで舁き山を運ぶという子供達を祝う山舁きとなります。

大ベテランの方々が子供達を運び、万四郎神社で子供達が手一本を入れ、大人たちから大きな拍手が送られました。

千代流は午前6時からの舁き出し。明るくなった空の下、早朝の山舁きを行いました。

今年は追善山が数多く行われていますが、この朝山において、2020年に逝去した博多祇園山笠振興会の第八代会長を務めた波多江五朗さんの追善山が行われました。波多江さんは山笠の伝統や品格を守ることに尽力し、みんなが楽しめる祭の遂行に努め、30年以上も振興会の役員を務めた功労者の方です。追善山は、所属の綱場町に祭壇が設けられ、波多江さんが着用していた長法被と手拭が飾られました。

まずは波多江さんが所属していた恵比須流が追善山午前6時20分に舁き山を舁き入れました。

祭壇に舁き山の表を向けて据えられ、台上がりを行った武田忠也現会長が「山笠が大好きな方でした。山笠や恵比須流に尽力し、大変助けて頂きました。」と波多江さんに謝辞と弔意を述べ、全員で祝い目出度の一番と手一本を入れて波多江さんを偲びました。

恵比須流の後、七流を代表して土居流が舁き入れ、山笠の発展に尽力した波多江さんを偲び追善山を行いました。

(取材協力:山笠ナビ公式サポートスタッフ M_Film