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清道に玉垣が積まれた櫛田神社にて、飾り山の棒締めが行われました

7月1日まで10日となった本日6月21日(日)。櫛田神社では7月に向けての準備が行われました。

午前9時より櫛田神社の清道にて、氏子の方々が集まり、清道旗を立てるための玉垣を積み上げる作業を行いました。追い山行事は行われなくても、櫛田神社には清道の旗が立つことになります。

玉垣は、砂が詰められた俵を積んで作られます。重いものにはスコップ11~12杯分、中くらいのものは9杯分の砂が入っているそうで、重さはおよそ30~40キロ。この砂俵は、前日までに準備されていました。

まず清道の石板に支柱を立て、俵を並べるラインを設定し、そのラインを地面に描いて、砂俵を俵は少し重ねつつぐるりと置いていきます。

単に積むだけではありません。土台の安定性を重視するため、最初は重めの俵が並べられていきます。俵を積むと、次は支柱がずれたり倒れたりしないようにするために、荒縄を使って俵と支柱を複雑に縛り上げていきます。
積み上げると水平器を使って水平を確認し、崩れないように積み上げるための細かい作業が行われてていきます。

何しろ俵に砂がぎっちり詰められていますので、上の段になってくると乗せるのも一苦労、水平にするために成型するのも一苦労。最後は玉垣に上がってジャンプして全体重を掛けて平らにしていきます。

「今年のはいつもよりよくできてるんじゃないか?」という声にどっと笑い声が。とにかく全員笑顔で作業が進められ、山笠に関われる喜びがあふれてたのが印象的でした。

末広がり状に積み上げた俵の上に、仕上げに穴を塞ぐように2つ俵を乗せて、全7段の玉垣が完成。

櫛田の銀杏、そして今年はやってこない舁き山に正面を向けた清道の旗竿が、今年も清道に立てられました。

午前10時半になると、先日山解きを終えたばかりの山小屋にて、山大工らが棒締めの準備にかかります。

山小屋の横では、舁き棒が並べられ、改めて水を掛けて洗われます。

山笠台に舁き棒を縛り上げる縄も、棒締めの際によれやねじれが起きないよう、長く伸ばされチェックが入れられます。今日の作業には、白水英章人形師も山笠参加者の一員として参加。共に汗を流しながら棒締めの作業を行いました。

矢切では山大工らが上り、きたる今年の飾り付けのために清掃を行います。

準備が整うと、舁き棒が運び込まれ、棒受に棒が通されていきます。

棒締めを行ったときに舁き棒がずれないように、厚めの板を渡し縄で縛られ固定されました。

棒締め前に、棒締めに参加する人の体温検査。このご時世ですので、作業には慎重をきして行われます。

午前11時14分。今年最初で最後の棒締めが始まりました。

「棒締めたー!」の掛け声とともに、おやし棒が倒され、舁き棒と山笠台が荒縄一本だけで締め上げられていきます。山小屋には木と縄が強い力で締め上げれていくギリギリという音と、荒縄の空気を抜いて密着させるために縄を木槌で叩くカンカンカンという音が響き渡ります。

まずは向かって左肩側の舁き棒が締め上げられ、鼻縄が取り付けられます。

例年だと櫛田神社の棒締めではメディアの姿が見られないのですが、今年はこの飾り山しか造られないという所から、今日は多数のメディアが山小屋前で取材する姿が見受けられました。

左肩側が終わると、続いて右肩側の棒締め作業。手際よく棒が締め上げられていきます。風もあり過ごしやすい天気でしたが、男たちの額には大粒の汗が流れます。

午後12時丁度に、棒締めの作業が終了。6本の棒がしっかりと山笠台に縛り上げ固定されました。

最後に棒の先についている鼻環を磨き上げピカピカに。飾り山公開のために、万全を期した作業が行われます。

すべての作業が終了後、山小屋前で作業を行った人たちによる手一本が入れられ、本日の作業は無事終了しました。

棒締めを終え、あとは飾り付けを待つばかり。
飾り山一般公開は7月1日。あと10日でその日がやってきます。