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「動」の山笠がスタート! 全町お汐井取りが行われました

梅雨明けを思わせるような青空の下、本日7月9日(日)夕方、「動」の山笠のスタートを告げる2017年度の全町お汐井取りが行われました。

本日承天寺の前にも清道旗が立てられ、いよいよ「動」の山笠がやってきたことを実感します。

中洲流は16時前より、準備が整ったことを伝令する「もーろーろー」を行いました。各町の詰所に、当番町が出向き「もーろーろー(もうどうぞ、いらっしゃってください、の意味)」の掛け声をかけて回ります。

他の流れも16時に入ると、触れ太鼓を叩いて山小屋前に集合し手打ちを行うなど、お汐井取りに出発する準備が進められていきます。

午前中は雷を伴う雨が降っていた福岡市ですが、午後になるとその天気はどこへ行ったやら、夏を思わせる青空が広がりました。
お汐井取りの出発地点となる千代3丁目交差点前にある石堂橋では、来年の公式ガイドブックに掲載する博多祇園山笠振興会の写真撮影が行われていました。

17時過ぎには今年の一番山笠を務める中洲流が、石堂橋に到着します。

17時半前、イヤァァ!の声と共に中洲流がお汐井道を走り始めました。目指すは5キロ先の筥崎浜です。

中洲流以降の流も、5分ずつ時間をおいて出発していきます。

出発して30分後、中洲流は無事筥崎浜に到着。鳥居をくぐり、日がゆっくり沈みゆく筥崎浜に向かい拝礼を行い、今年の山笠の無事奉納を祈願します。

拝礼が終わると、参加者は持参した「てぼ」と呼ばれるカゴやお汐井枡に浄めの真砂をを詰めて持ち帰ります。

今日は日曜日だけあって、お汐井取りの見物客がとても多く、筥崎浜にはたくさんのカメラマン達がベストショットを撮ろうとスタンバイしていました。

中には海にどっぷり浸かり、沖の方の砂を取りに行く人たちも。

他の流も次々と筥崎浜に到着。海に向かって拝礼を行い、筥崎宮でお祓いを受けます。

そして筥崎宮でのお祓いを済ませた参加者は、小休憩の後、次は櫛田神社に拝礼するため走ってきた道を再び走って戻ります。
中洲流はお汐井取りの戻りの道では、スタートの石堂橋から博多部に戻るのではなく、一本手前の西門橋から博多部へ入ります。これはその昔、中洲流が結成される前、加勢町として土居町流に参加していた頃、土居町流が西門橋から博多部に入っていたことから、今もそれにならっているのではないかとのことです。
その西門橋のたもとでは100年以上の歴史を持つ西門蒲鉾さんが現在も営業していますが、井上総務らは西門蒲鉾さんを表敬訪問を行い、西門蒲鉾さんは中洲流の訪問を歓待します。これはその昔、中洲の人形町の方が、西門中小路の西門蒲鉾さんに婿入りした縁が始まりだそうで、西門蒲鉾さんは今もなおお汐井取りから戻ってきた中洲流を歓待しているとのことです。(「中洲流 五十年の軌跡」より)

往復10キロの道を走ってきた参加者は、櫛田神社にて拝礼を行います。

中洲流到着後、他の流れも次々と櫛田神社に到着。太鼓の音と共に櫛田神社の境内に入り、拝礼を行います。

七番山笠 東流が櫛田神社に到着した時は、午後8時過ぎ。辺りはとっぷりと日が暮れ、各町の提灯が暗闇に明るく映える光景は幻想的です。

拝礼を終えた参加者は、再び走って自分の町に戻り、お汐井取りが無事行われたこと、そして「動」の山笠が始まったことを喜びました。

今日から博多祇園山笠は、毎日行事が行われていきます。