本日6月2日、博多祇園山笠発祥の地である承天寺にて、山笠の無事奉納を祈願する夏祈祷(なつきとう)が行われました。昨年に続き今年の夏祈祷も快晴。少々強めの風が吹いていたことで、心地よい気温の中での夏祈祷となりました。
夏祈祷が始まる11時前に住職が始まりの合図の鐘を叩きます。方丈には夏祈祷に参加する博多祇園山笠振興会の豊田侃也会長をはじめとした役員や各流の総務ら約30人が長法被姿で入室、そして住職らが方丈に入室しました。今年の博多祇園山笠の安全と成功を祈願します。
午前11時、夏祈祷が始まります。今年の山笠に使用するお札を仏前でゆっくりとまわし、山笠の無事安全と無事成功を祈願します。
読経を続ける中、住職らが目の前にある櫃を開け、全部で16部600巻に及ぶ『大般若波羅蜜多経』を取り出します。
鐘の音が響くと、ひときわ強い読経と続けながら経典を高く掲げてパラパラとめくり始めます。これは『転読(てんどく)』とよばれ、経典の題名と初・中・終の数行を読みあげながらパラパラとめくる事で全体を読んだことにする読経の方法です。夏祈祷は、膨大な経典群を転読で読み上げる事で有名な行事です。
方丈では、黄色い経典がパラパラと舞うように次々と経典が読み上げられていき、読経の声が続きます。
転読が終わると、群唱による読経が行われ、夏祈祷は無事終了しました。
山笠の起源である承天寺にて、今年も山笠の無事奉納が祈願されました。