6月もいよいよ最後の日曜日になりました。あと4日後には山笠が開幕。いよいよ待ったなしの状況です。
櫛田神社も桟敷席の建設が終了。清道内から重機が撤収し、こちらも準備が万端です。
清道内には、昨日氏子の方が立てた清道旗の柱が立ち、しっかりと砂が詰まった俵で固定されていました。
櫛田神社の塀には、協賛雪洞が掛けられました。
山留(スタート地点)にも山留櫓が建設され、祭の準備は万端です。
今年一番山笠を務める中洲流は、本日より飾り山笠の飾付けに入ります。午前7時すぎより、飾りを積んだトラックが到着。流の男達が積み込まれた飾りを表・見送りと仕分けながら作業の準備を行いました。
見送りは「海幸山幸譚(うみさちやまさちものがたり)」という標題という事もあり、山小屋前には鯛や大きな海老、イカ、魚などの海の生き物の人形が並べられました。
午前8時半からは櫛田神社浜宮で、東流が棒洗いの神事に臨みました。
今年の棒洗いには、昨年東流の総務を務めた梅津竜次さんも参加していました。聞けば「親父が総務をした時以来に棒洗いに来たっちゃないかな」。
浜宮には、博多祇園山笠の公式サポート団体 讃合会の会長である兼國朋弘さんも見学にきておりました。
舁き棒を境内に運び入れると、総務が御神酒を海に注ぎ入れます。御神酒を注いだ清めたその海水を汲み上げ、棒洗いに使うのが東流の習わしです。
午前8時30分、東流の棒洗いの神事が始まりました。
舁き棒と参加者が祓い清められると、棒洗いの儀が行われます。
御神酒で清められた海水を舁き棒に注ぎ、棒に付いた埃や汚れを丹念に洗い落としていきます。一度棒を回転させ裏側もきれいに洗った後、真水を掛けて汚れと海水をすすぎます。
最後に兒島秀志総務が玉串拝礼を行い、今年の山笠の無事奉納を祈願しました。
洗い清めた舁き棒は再びトラックへ。この後、棒締めを行うため、山小屋に運ばれていきます。
境内では総務の記念写真撮影が行われました。
本日の東流の棒洗いで、全ての流が棒洗いを終えました。浜宮の門に一ヶ月間掛けられた注連縄が取り外されます。ここに足しげく通うのはまた一年後です。
午前9時が近付くと、中洲流の山小屋周辺は賑やかになります。いよいよ飾り付けが始まります。
トラックの中には、飾り付けを待つ立派な人形飾りが出番を待っていました。
午前9時、総務から溝口堂央人形師、中村弘峰人形師に挨拶が行われ、手一本が入り作業が始まりました。
人形師から矢切(飾り山笠の骨組み)に上がる流の若手に「体調が悪くなったらすぐに言ってください。水分補給はしっかり行ってください」と伝達が行われます。
若手は手拭を頭に締め、人形師は打合せを行い、作業スタートです。
矢切の高い階層はハーネス型の安全帯を付けた山大工が上がり、低層には飾りを引き上げる手伝いを行う流の男達が上ります。地面にいる若手の人達は矢切に登った流の男に飾りを渡す役目で、落下物に供えヘルメットを着用し手からの作業となります。
まずは表の飾付けから。三神の額を祀った差し物が矢切に上げられ、溝口人形師が山小屋の下から見上げて角度や見え方を確認し、マイクを使って指示を出していきます。
今日の飾り付けは、まずは表から先に行い、矢切の頭の部分の飾りをつけ終えたら、見送り側に後退します。しばらく交互に作業を行った後、ある程度飾りが上がったら同時進行で飾り付けが進んでいきます。表の飾り付けが行われている間は、見送りの中村人形師は飾り付けの準備を行います。
見送りの飾り付けにバトンタッチされると、表と同様にまずは三神の額の差し物が飾られ、大きな館飾りが引き上げられていきます。皆、矢切の上を見上げてその様子を見守ります。
次々と上げられていく飾りの数々。「もう少し櫛田側に」「天神側にスライドさせてください」「もう少し天神側に出せますか?」と山大工と対話を行いながら巨大な飾りを作り上げていきます。 流の男たちも自分たちの飾り山笠を作り上げようと、てきぱきと動いて飾りを準備していきます。
午前11時を過ぎると、表側には山笠からこぼれんばかりの人形がたくさん上がっていました。巨大な白馬に武者人形が載せられ、さらにもう一体飾り山笠に上がります。
馬の手綱が下から渡せないので、棒にマスキングテープで手綱を留め上に伸ばして何とか引き渡し成功しました。
見送り側も次々に飾りが上げられていっており、中村人形師が上を見上げながら飾り付けの指示を出していました。
博多リバレインは本日は表の飾り付けが行われました。今年より西山陽一人形師が表の飾りを担当。昨日ソラリアの飾り付けを終えて、本日はリバレインの飾り付けに入りました。
午前10時半ごろには大きな人形がほぼ上がり切り、立派な騎馬の人形が目を奪います。最後の一体を上げ、西山人形師が人形の角度の指示を出していました。
博多に二泊三日で観光に来た家族も、飾り付けの様子にびっくり。「あんな高い所に上がって危なくないの?」「あの大きいもの重くて危なくないの?」と心配する子供がほほえましく、「さあ行こうか」とご両親が言っても「これ、まだ見る!」と飾り付けの様子が大変気に入った様子でした。
棒洗いを終えた東流は、山小屋で棒締めを行いました。しかも、飾り山笠では飾付けも行われており、舁き山笠と飾り山笠が行事を同時進行するという初の日程の年となりました。
棒締めを終えると、出来上がったばかりの山笠台が山小屋の外に運ばれます。山小屋の周囲には地下足袋姿の流れの男たちで埋め尽くされています。いよいよ試し舁きの時がやってきました。
兒島総務と役員の方々が、まだ飾りもない山笠台に上がり、手拭を頭に巻いて試し舁きに供えます。
緊張の一瞬。舁き出しは午前11時です・・・!
午前11時、丁度大博通りが赤信号になった瞬間、鬨の声を上げて山笠台が走り始めました。
山笠台は山小屋が建つエリアの周辺を往復。上東町の坂を駆け下りて明治通り直前で引き回した後、再び坂を上って山小屋へ戻っていきます。
「オッショイ」の掛け声で山小屋に収められた山笠台は上々の出来。最後に手一本が入れられ、無事棒締めと試し舁きが終了しました。
十番山笠・キャナルシティ博多、十三番山笠・新天町も本日より飾り付けが開始。
十二番山笠・ソラリアは見送り側の飾り付けが行われ、今年からソラリアの見送りの飾りを担当する下川貴士人形師が飾り付けの指示を行っていました。
午後5時からは十六番山笠・渡辺通一丁目が飾り付けを始めました。
当番法被に身を包んだ渡辺通一丁目の男達。「ケガをしないよう安全にいきましょう」と挨拶が行われると、表・見送り・芳名板の3組に分かれて作業を開始しました。
芳名板の組は足場に乗って、山小屋の前に立てられた芳名板に役員や寄付をしていただいた企業や店舗の名前を取り付けていきます。
山大工の人たちは、まず表の飾り付けの準備に入ります。人形の背中や手足に取り付ける番線をカットしたり、館の飾りに跳木を取り付けたり・・・と準備を進めていきます。
「アンパンマンだー」と道を歩いててアンパンマンの飾りを見つけた子供たちが来るので、まだ飾り付けの前だからと人形師と山大工が人形を山小屋の横に並べてちょっとした記念撮影エリアを作ってあげました。子供たちが笑顔でアンパンマンの人形の間に入ってポーズ。ママたちも笑顔で写真に収めていました。
準備ができたのでまずは一番上に飾る屋形の飾りを引き上げていきます。中野親一人形師が声を張って山大工に指示を出していきます。
人形師と山大工は阿吽の呼吸で、飾り付け場所と角度を確認しながら次々と飾りを据えていきます。
屋形の下に取り付けた波の間から人形を突き出したい・・・という人形師のリクエスト。長い跳木に固定した人形を皆で持ち上げ、波の飾りから手を出す山大工の手に懸命に渡します。
エイヤ!と引っ張り上げて引っ張り込み、無事に人形を設置。足場の飾りもつけて、人形師もOKを出しました。
跳木の先には凸型の出っ張りが付いており、人形の背中にその出っ張りを引っかける穴がついてます。跳木を引き上げた後、人形が上げられ、矢切の上で木と人形を取り付けて、針金を使って角度の調整を行います。
だんだん暮れゆく博多の街に、人形師の飾り付けの指示の声が響き渡ります。
表の大きな飾りが一通り上がり終わると、次は見送り側の番です。次々と飾りが矢切の上に上げられ、アンパンマンの仲間である食パンマンが最初に上げられました。
「人形は1.5メートル前に出して下さい! 食パンマンは空を飛んでるから、突き出した後、足だけを引き込んでください。」と中野浩人形師が大きな声で指示を飛ばします。
山大工が食パンマンの足をぐいっと引き込むと、その姿はまさに空を飛んでいる食パンマン。これこそ飾り付けの妙です。
見送りに次々と子供たちのヒーローが上がっていきます。子供たちが見上げて楽しめるのは七月一日から。その日まであと3日ばかりとなりました。