強い日差しが照り付ける一日となった6月13日(土)。もうすぐ6月も折り返し地点という事で、各流の祭りの準備が本格化してきました。
昨日から始まった櫛田神社の飾付けは、本日は見送り側の飾り付けが開始。丁度今年は人形師が変わる年で、今年から小副川太郎人形が櫛田神社の見送りの飾りを担当します。
強い日差しが照り付ける中、汗をかきながら大声で飾り山に登っている山大工に飾りの角度や位置を細かく出していきます。週末とだけ会って観光客がとても多く、人形師と山大工の真剣な飾り付けの様子に足を止めて見入っていました。
午前11時から上川端商店街にて、五番山笠・土居流が小屋入りの神事を行いました。
今年の当番町は上川端商店街の地域である上新川端町なので、アーケドの中での神事となりました。
まずは神事の参加者を櫛田神社の神職が祓い清め、神に祝詞を奏上します。
参加者を祓い清めた後、舁き山笠を奉納する場所の四隅を神職が大幣と切幣を使って祓い清めて神域化しました。
そして、この日の早朝に博多ふ頭にある櫛田神社浜宮にて洗い清めてきた舁き棒と、山笠台に使う部材を、神職が祓い清め、安全安心・無事奉納を祈願しました。
最後に、清水俊次郎総務が玉串を奉納。当番町の男達も共に手を入れ、今年の山笠の無事奉納を祈願しました。
一方、すでに小屋入りと地鎮祭の神事を終えている中洲流では、早速飾り山笠の山小屋建設が始まりました。
また今日はキャナルシティ博多と博多リバレインも棒洗いを行い小屋入りの神事を執り行いました。博多リバレインは午前10時30分より山小屋小屋入りの神事が開始。
祭壇の先には本日早朝に櫛田神社浜宮で洗い清めてきた舁き棒が整然と並べられています。
神事を終えるとすぐに、棒締めが始まります。
木槌が縄を叩く音とギリギリと縄が締まる音、そして男たちの「棒締めたー!」の掛け声が、アーケードに響き渡ります。
この地の昔の町名の入った伝統のある舁き棒が、今年も男たちの手によって山笠台に取り付けられ、伝統と歴史が継承されていきます。
最後の舁き棒にきっちり縄が掛けられ締め上げられたら、山笠台の完成です。早速天板となる枝折(しおり)を山笠台の上に置き、しっかり舁き棒が緩みなく締められているかを確認する「試し舁き」の準備が慌ただしく始まります。
試し舁きに参加する男達は、雪駄から地下足袋に履き替えて、しっかり走れる準備を行います。中には屈伸をしたりしてストレッチを行う人も。飾りなどが載っていないとはいえかなりの重量がする山笠台。それを担いで短距離とはいえ走るので油断は禁物です。
山本成嗣総務が山笠台に上がり、総務手拭を手際よく捻じって頭にくるっと締めると準備万端です。
「10秒前!」と舁き出しが告げられると、無言でカウントを数えた後棒鼻をパンパンと叩くと「ヤーーーッ!」と山笠台が駆け出しました。今季初の本物の山笠の試し舁き初めです。
山笠台はアーケード内を一往復し戻ってきました。突然アーケードに響き渡る「オイサ!」の声に、びっくりした表情をした外国の方の顔も見られました。棒締めの結果は上々。小屋入りも終えた博多リバレインは、ここからこの山笠台に矢切(骨組み)が建てられ、月末の飾り付けへと駆け抜けていきます。
午後からは、博多小学校にて来月最初の週末に行われる博多小子供山笠の準備行われ、男子生徒は山舁きに使う舁き縄と山笠台を自分たちの手で作り上げました。
生徒達は、山笠に出ている地域の大人の指導を受けながら、自分たちの舁き縄を製作。素足でワラ縄を撚って舁き縄を編み上げていきます。
出来上がったら引っ張ってねじれを取り、持ちやすくするために縄で舁き縄を擦って余計なワラのケバを落としていきました。
舁き縄が出来上がると次は山笠台に舁き棒を取り付ける「棒締め」です。全員で「棒締めた、棒締めた」と棒締めの節を歌い上げながら、てこの原理を使って縄だけで舁き棒を山笠台に締め上げて取り付けていきます。
縄だけで舁き棒を山笠台に固定するのは、かなり力を入れて締め上げなくてはなりません。生徒の力だけでなく先生も一緒にてこの原理の道具「おやし棒」を力いっぱい押し込みます。
一本、また一本と締め上げられていく舁き棒。子供達も元気を絶やさずに「棒締めた!」の掛け声をかけて、棒締めをする生徒の応援を行います。
棒締めが終わりに近づいてくると、グラウンドには「試し舁き」に供えて、勢い水の水を入れたバケツがトラックの周囲に並べられていきます。
グラウンドの片隅から、ドンドンという太鼓の音が。女子生徒が舁き出しの際に打ち鳴らされる太鼓の練習をしています。その太鼓の打ち方にアドバイスをしているのは、櫛田神社の権禰宜である髙山定史さん。つまり櫛田神社の拝殿で、そして追い山笠の太鼓台で太鼓をたたく”本職”が、本物の技を教えていました。高山さんが打った時に明らかに違う音の響きに、女子生徒も一生懸命それに近付けるようバチを振るって練習を行いました。
出来上がった舁き山笠は大人たちの手でグラウンド内に運ばれ、たっぷりと水を掛けられます。
水を吸った縄や木材、棒などは膨張し密度が上がりますので、締まり具合がさらに増して棒と縄のすき間が無くなって安定するのです。
子供達は2班に分かれて、試し舁きを行います。試し舁きの台上がりの生徒が発表されると、生徒達は「おおー!」「がんばれよ!」と賑やかに。
水がたっぷりかけれた山笠台のにおいをかいで「いいにおい!」とはしゃぐ子供達。鼻からも山笠の時期の到来を感じているようです。
棒に肩を入れて緊張が増してくる子供達。そこに女子生徒や下級生が容赦なく勢い水を掛けていきます。
「右肩よし!」「左肩よし!」と先生による安全確認の点呼が行われると「締まっていくぞー!」の声が掛けられると、「いーち!にーの!」
「や-----!」と子供たちの気合の掛け声が上がり、山笠台が走り出しました。オイサの掛け声に、ザンブザンブと勢い水が飛び交います。
トラックを4分割にして、1班と2班が交互に試し舁き。舁き出すたびに、女子生徒が高山さんから教わった太鼓の叩き方で舁き手の男子生徒を鼓舞します。
保護者や女子生徒、下級生の応援を受けてトラックを一周した山笠台。棒締めの具合も上々の様で無事一周できた所で、今日の帰りの会が行われます。
まずは今日の山笠台や舁き縄作りを手伝ってくれた地域の大人や保護者に「ありがとうございました!」と感謝の意が伝えられました。
そして今年の標題が発表されました。今年の標題は自分たちの山笠で博多を元気づけたいという思いが込められた「博多祈繁栄(はかたのはんえいをいのる)」。「今年はこの標題でみんな頑張りましょう」と決意が述べられました。
大人も子供も山笠の準備が着々と進んだ一日でした。