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小雨の下、櫛田神社では山解きが、承天寺では夏祈祷が行われました

山笠準備期間2日目となる本日6月2日(火)、九州の南側を進む台風6号の影響で少々天気が崩れ気味の博多。細かい雨がさらさらと降る早朝から、櫛田神社の飾り山笠の飾りを降ろす山解きの作業が行われました。

早朝8時から人形師や山大工が山小屋に集まり、一年間展示された飾り山笠の飾りを解きます。昨年も6月2日の山解きでしたが、今年も早めの山解きとなりました。人形師らは取り外した人形や細かい飾りを入れる箱を組み、山大工らは飾りを外す作業の準備を行います。

まずは舁き棒の上にベニヤ板を敷いて一番下の飾りを外していきます。

一年も屋外に飾ると黒光りしていた岩こぶの飾りも色あせて埃をかぶって真っ白に。赤い旗は日焼けしてしまって表側と裏側で色が全く違うものになっていました。

飾りを外して下に置くたびに、もわっとホコリが舞い上がります。「うわ、ホコリがひどいな・・・」と取り外す作業をする人は皆マスクをつけて作業を行います。

ある程度外したら一年間人々の目を楽しませた人形を降ろしていきます。背中に刺さった跳木と呼ばれる支えの木を慎重に外して、下にいる人に手渡します。ポーズと相まって「もう少し頑張らせてください!」と言ってるかのようですが、一年間のお役目を終えた人形は無事取り外されました。。

次々と外されていく山解きの様子を、興味深く見る海外の環境客の姿も。「明日から数週間飾りがないけど、ツアーガイドさんも説明大変よねえ」「でも去年は素山(飾りがついていない飾り山笠の状態)でも写真をバシャバシャ撮ってましたよ」「まあ、飾りがない時の方が短いからレアやもんね」。

見送り側も人形が下ろされ、雨を避けて一旦恵比須会館に。寝かされた亡霊の人形、まるで降ろされたことが無念のような表情にも見えます。

一時間も立たないうちに半分以上の飾りが解かれました。午前中には全ての作業が終了。櫛田神社の飾り山笠は、数週間ほど山笠台のメンテナンスが入れられ、今年の飾り付けに備えられます。

また、承天寺では、午前11時より山笠の無事安全の奉納を祈願する”夏祈祷”が行われました。

夏祈祷とは、山笠発祥の地とされる承天寺で二日連続で行われる「大般若夏祈禱」の通称で、古来より山笠に供える守り札をもらう慣習があります。二日目の祈祷には博多祇園山笠振興会や、櫛田神社の宮司、各流の総務、その他関係者も出席して、山笠の無事奉納を祈願するのが習わしです。

祭壇には山笠に供える守り札と御札が供えられ、住職の祈祷を受けたのち各流に配布されます。

午前11時前に当番法被に身を包んだ博多祇園山笠振興会の役員と各流の総務、櫛田神社と筥崎宮の宮司が方丈に通され、式が始まるのを待ちます。

「カーン」「カーン」と夏祈祷の始まりを告げる鐘が叩かれ、承天寺一派の住職らが方丈に入場。いよいよ今年の夏祈祷が始まります。

神保至雲住職が祭壇に飾られた守り札とお札を手に取ってゆっくりと廻し祈祷を行います。

そして静かに住職らの読経がおもむろに始まります。木魚の音と力強い読経の唱和が方丈に響き渡ります。住職らの読経に、山笠関係者はじっと耳を傾けます。

「カーン、カーン」と鐘が打ち鳴らされると、待ってたとばかりに「エェェェェイ!」という声と共に、蛇腹状に畳まれた経典を高く掲げ、パラパラとめくり落していきます。この『転読(てんどく)』と呼ばれる独特の読経を行いながら、全部で16部600巻に及ぶ『大般若波羅蜜多経』を読み上げていきます。

般若心経の群唱で静かで厳かだった方丈は、一転して転読の力強い荒々しい読経に包まれます。

経典を読み上げた神保住職が最後に転読を行うと、転読は終了し再び般若心経の群唱へ。力強い読経が響き渡ります。

最後に神保住職が仏教において最も丁寧な礼拝である「五体投地」(両膝をつき額を地に着けて手のひらを上へ向ける)を行い、厳かに令和8年の夏祈祷が静かに終わりました。

住職らが退出し、夏祈祷に参加した関係者は焼香を行い、山笠の安全無事を祈願します。

朝のポツポツ雨はいつの間にやらシトシト雨に。読経が鳴り響いた方丈には、屋根から垂れてくる雨のしずくの音が響き渡っていました。