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キャナルシティが棒洗い・小屋入りを、博多小が棒締め・試し舁きを行いました

6月3度目の週末がきました。雨模様となった6月15日(土)、十六番山笠 キャナルシティ博多が棒洗い・小屋入り・棒締めを行いました。

キャナルシティ博多

キャナルシティは朝8時よりベイサイドプレイスの櫛田神社浜宮にて棒洗いを行いました。朝から小雨が降り続けており、どんよりとした天候の下での棒洗いとなります。

今日は満潮だったようで、博多湾の水位は高い状態。紐を結んだバケツを下ろして海水を汲み上げます。

午前8時、小雨がそぼ降る中、キャナルシティの棒洗いの神事が始まりました。全員雨合羽を脱いでの行事参加となります。

櫛田神社の神職が舁き棒と参加者を祓い清めた後、総務が先ほど汲み上げた海水を棒に掛けて洗い浄めます。

行事の参加者は、海水で洗い浄めた舁き棒を丁寧に磨きあがて埃と汚れを落とし、真水ですすいで、棒をきれいに洗い浄めました。

洗い浄めた舁き棒はキャナルシティに持ち帰られます。午前9時より、山笠建設の無事と安全を祈願する小屋入りの神事を行うためです。

午前9時、定刻通り、小屋入り神事が執り行われました。

参加者を祓い清めた後、祝詞が奏上されます。まだ時間は午前9時を回った買い物客はまだいない時間帯。ホテルからチェックアウトした海外の観光客が、足を止めて日本の神事を見物する姿も見られます。

神職により舁き棒、山笠台、縄や山笠台に使う道具などが祓い清められて行きます。

最後に玉串が捧げられ、小屋入りの神事は無事執り行われました。

小屋入りの神事が終わると、さっそく片付けが行われ、浄めたばかりの山笠台と舁き棒を締め上げる「棒締め」に移ります。

山笠台に6本の舁き棒を置き、棒の頭の位置が揃うよう細かい調整を入れていきます。

午前10時、共にキャナルシティ博多が営業を開始。営業開始と同時にキャナルシティの顔ともいえる本日最初の噴水ショーがスタートします。チャイコフスキーの「花のワルツ」に合わせ噴水ショーが繰り広げられるなか、棒締めの準備が進みます。

「棒締めたー!」の声と共に木槌の音がキャナルに響き渡り、舁き棒が締め上げられていきます。その音につられて見に来た客が、山笠の棒締めの行事を興味深く見学する姿が各階で見られました。

博多小 子供山笠

博多小学校では、子供山笠「博多流」に使用される舁き山の棒締めが行われました。
博多小では伝統と地域文化を学ぶ一環として、子供達が山笠を舁く「子供山笠」が総合授業として組み込まれています。

棒締めには実際に山笠に参加している大人たちや山大工の協力のもと、子供たちが自分たちの手で自分たちの山笠台と舁き棒を締め上げていきます。合図に合わせて、参加している子供たちから元気のいい「棒締めた、棒締めた!」の掛け声が掛かると、縄を締め上げる係の子供たちが全体重を掛けて引き下ろし、縄を叩く係が一斉に木槌を振って棒を叩いて締め上げていきます。

こうして、子供山笠の山笠台に舁き棒がしっかりと締め上げられ、大人の山笠と遜色ない山笠台が出来上がりました。

出来上がった山笠台は校庭に引き出され、棒の締まり具合を確認する「試し舁き」が行われます。試し舁きは飾りが乗っていない状態で山笠台を実際に舁く「試運転」のようなもので、初めて舁き棒に肩を当てて山舁きが行える行事です。
朝からぐずついていた天気も棒締めをしている間に止み、太陽も顔を出すようになっていました。先生たちは出来上がったばかりの山笠台に水をたっぷり掛けて締めていきます。

舁き手交代の際に、山笠に出ている大人たちから子供達へアドバイスが行われます。このように技術や伝統が

子供達も先生の説明と注意を受けた後、手ぬぐいを濡らして頭に巻き気合いを入れます。
台に付いた子供たちも、緊張の面持ちで舁き出しの時を待ちます。

先生の合図に合わせ鼻取の子供二人が「気合いを入れていくぞ!」の声と共に「3!2!1!」とカウントを入れ、試し舁きがスタート。勢いよく山笠が走り出しました。

太陽の熱を感じる晴れ間になったとはいえ、朝から降り続いていた雨により校庭が緩んでしまっているため、山笠台の足がグラウンドにめり込んでしまい、途中止まってしまうことも。先生の檄が飛び、再び山笠が走り始めます。

舁き手交代のタイミングに合わせ、山笠に出ている大人達から子供達へ山舁きのアドバイスが行われ、生きた技術が継承されていきます。

校庭を一周した子供山は朝礼台前まで舁き入れられ、生徒による手一本が入れられて試し舁きは無事終了となりました。

子供山笠の世話人である河原さんからは「今日の内容を持ち帰ってよりよくして本番に生かしてほしい」とアドバイスが行われました。博多小の子供山笠は7月5日(金)から3日間かけて、校区内を元気に舁き回ります。