本日15日早朝、博多祗園山笠はフィナーレである追山が執り行われ、7月1日から続いた熱い2週間が無事閉幕しました。
今年の追山は水曜日と週の真ん中平日の開催。それにも関わらず、一目追山の興奮を味わいたい見物客が櫛田神社の桟敷席や沿道に詰めかけました。
緊張と熱気に包まれた櫛田神社の清道。
午前4時59分が近付くにつれ、ざわざわ感に潜む息を呑んでその時を待つ空気。さらに緊張感が高まっていきます。
午前4時59分、「イヤァ!」という男達の気合いの声と共に太鼓の音が鳴り響き、今年の一番山笠大黒流の舁山が櫛田神社の清道になだれ込み「櫛田入り」を奉納します。
そして、一番山だけに与えられた名誉「祝いめでた」を唄い上げ、唄い終わって素早く手拭いを頭に巻きつけた大黒流は、清道を駆け抜け博多の町に飛び出していきました。
七流が櫛田入りを終えた後は、高さ約11メートル、重さ約2トンの巨大な走る飾山が櫛田神社の清道に「オイサ」の声勇ましく櫛田入りを披露。2.5メートルもある天狗の口からスモークが吐き出されると、ワッと桟敷席が湧きました。
博多の町に飛び出ていった各流は、沿道の声援と勢水を浴びながら、廻り止めがある須崎を目指します。
櫛田神社を飛び出て国体道路、東長寺・承天寺の清道を廻って旧東町筋へ。そして広い大博通りに出た後、再び狭い道が続く旧西町筋を・・・と、北上と南下を繰り返す山笠コースを走り抜けます。
八番山の上川端は二引の旗をはためかせながら、上川端商店街に戻っていきます。大きい!やすごい!の声を浴びながら、八番山は進んでいきました。
須崎の廻り止めに到達した各流は、自分達の山小屋へ戻っていきます。
西流の山小屋の周りには「山崩し」を見たい大勢の見物客が集まっていました。西流は七流の中で唯一山笠が終わると山笠飾りを壊して、壊れた部品を持ち帰ると一年間無病息災と言われている人形の部品を持ち帰れる「山崩し」を行います。
山小屋前に据えられた舁山は、山揺らしをされながら祝いめでた、そして手一本を入れられます。手一本が終わると同時に舁手が舁山によじ登って人形を引き剥がして壊します。その迫力に見物客からどよめきと歓声の声が上がりました。
飾りのない山笠台に、今年の当番町と来年の受取町の総務が台上がりし、次の当番町である綱場町へ山笠台が送られました。
土居流は当番町に舁山が戻ってきた後、山揺らしをしながら祝いめでたと手一本を入れて無事奉納が終わった事を祝いました。その光景を見て感動のあまり涙を流す男性もいました。
梅雨はまだ明けておらず台風が近付いている博多ですが、今日の追山の日は夏到来を思わせるような快晴の空が広がりました。飾山がない普通の博多が戻ってきました。
追山が終わり平穏と日常生活が戻りつつあるその1時間後、博中学校の生徒会を中心に山笠に参加しない生徒が山笠追山斉行後のボランティア清掃を行いました。
照りつける太陽の下、午前7時半に集合した生徒達は、冷泉公園付近と櫛田神社付近の2班に分かれて、追山見物の際に出たゴミやタバコの吸い殻などを拾って回りました。
そして、山笠の男達は笹竹の注連縄を降ろして結界を外し、芳名版を解体して詰所の掃除をして山笠という非日常の世界から再び日常へと戻っていきます。
こうして、2015年の追山神事は無事奉納され、博多祇園山笠は終わりました。
今年の櫛田入りはああだった、こうすれば1秒縮めれた、という話を笑顔で話す男達。
また来年、熱い2週間のために一年間じっくり準備していく事になります。
●櫛田入り所要時間 |
●全コース所要時間 |