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博多祇園山笠、条件付きで「今夏は開催」の方針

1月28日(木)、博多祇園山笠振興会は新年総会を開き、政府からイベントを制限する要請が出ていないという前提で、参加者にコロナ感染防止対策を義務付けた上で今年の山笠行事を開催したいという方針を発表しました。

総会ではこの夏の山笠を開催するかどうか、どのような対策が必要かなどが話し合いが行われ、対策をとったうえで開催する方針を決定。
行事開催の条件として、
・緊急事態宣言などのイベント要請が出されてない限り、開催の方向で
・各流の参加者(約7000人)にPCR検査を義務付け
・可能な限りのワクチン接種してもらう
など、「準備の過程でも集会など人が集まることは避け、感染防止に努めたい」と感染対策を徹底する方針を提案しました。

振興会は感染防止のためのガイドライン作成を進めており、各流にもルール作成を要請。
4月の総会までに、山笠行事の実施案を固める方針だということです。

また、
・現時点では、福岡在住者のみの参加に限定し、福岡県外からの参加や観覧は自粛を呼びかける
・櫛田神社境内に桟敷席をは設けず櫛田入りは無観客で行う一方、沿道の見物客については警察との調整もあり現時点では制限の検討は行わないがきるかぎり控えてもらう
という方針も提案されました。

博多祇園山笠振興会の武田会長は「2年も続けて博多のヤマがないのは考えられない。今年は是が非でも山笠行事を執り行いたい」とのことですが、“今後の感染状況次第では再検討もある”と状況に応じた開催可否の判断を行うとし、「最悪の場合、人形師たちのためにも山笠の展示だけでもしたいと考えている」としています。

博多祇園山笠は、昨年2020年は新型コロナ感染拡大状況を受け、戦後初めて開催を見送り開催を2021年に延期。2020年は櫛田神社の飾り山と清道旗の展示、そして大祭の神事のみを執り行いました。

このニュースが28日の夕方のニュースで報道されると、twitterでは賛否両論のツイートであふれかえりました。比率的には賛成・喜びの声2、反対・不安視の声8ぐらいの比率という感じで、不安視するツイートが多くみられています。参加者と思われる人のツイートでも複雑な感情でこのニュースについてツイートする人も見られ、開催するしないにせよ複雑な状況がツイートの数や内容にもにじみ出ています。

ただ一方では、山笠が持つ地域の経済的な理由などからも理解を示すツイートも。
同じ28日に青森県の「青森ねぶた祭」実行委員会が祭の開催を発表。「2年連続の中止は地域経済に打撃を与えかねず、桟敷席を半減するなど感染防止策を徹底して開催する」事を発表しており、今回の博多祇園山笠や青森ねぶた祭の開催の動きは、昨年は中止とせざるを得なかった他地域の祭の開催にも指針や影響を与える発表として注目されています。

なお、今年1月2日、3日に行われ沿道の応援自粛が要請された箱根駅伝では、2日間合わせて約18万人、前年比で約85%減少したと発表(大会本部調べで)されており、「85%も減った」とみるか「15%も応援に来ていた」とみるかで、大きな議論を呼びました。(※1/29時点では箱根駅伝による感染の発表は見つからず)。
博多祇園山笠も開催するかどうするかについては、難しい判断の上で開催する方針を発表したものと思われます。

山笠開催を安心して開催するするためには、県内感染者ゼロである事が目標となります。
まったく油断できない世界状況が続く中、今年の山笠は無事行われるのか、その動向を注視していく事となります。