一年間常設展示されている櫛田神社の飾山が、本日6月9日に山解きが行われ、一年ぶりに素山状態となりました。
この日は曇天の朝となりましたが、朝8時半より始まる山解きのために、山大工と櫛田神社の飾山を担当している亀田人形師、今井人形師が朝早くから櫛田神社に集まりました。
「山を崩すところなんか見ても、面白くなかろうもん」と笑顔の亀田人形師が声を掛けてくれました。
山が解かれる前に写真を撮影する外国人の姿も。
8時40分、早速山解きが始まります。
櫛田神社の山解きは下の方から始まります。
まずは台幕、そして杉壁を取り外されます。
次に、波や岩こぶなどの飾りが次々と降ろされ、人形師はそれらの飾りを繋いでいる番線を切ったり、電動ドライバーで跳ね木に刺さっているねじを抜くのに大忙し。次々と飾りをばらしていきます。
山を解き始めて30分で、ここまで解かれました。
山笠の飾りを作るに数ヶ月かかり、飾り付けには2日かかり、そして山解きは数時間で終わる事を考えると、毎年飾山を作る事の偉大さと大変さを感じます。
表では、飾りの主役である毛剃九右衛門の人形が降ろされます。
降ろされた人形を見ると、一年間展示された汚れや痛みがはっきりと。
降ろされた人形を見て「飾山の表の方は西日がさすらしいんだよね。紫色が日で焼けちゃってきれいじゃなくなってるなあ・・・」と亀田人形師がぽつり。屋外での常設展示の難しさを感じていたようでした。
全ての飾りを降ろし終わったのは10時半頃。
その後、一年間の埃と汚れを落とすために棒が洗われ山笠台も一旦取り払われました。山小屋には素山だけが残っている状態です。
一年中飾り山が展示される櫛田神社に飾り山がないのは、3週間だけ。この素山に再び飾りが戻ってくるのは、今月末に行われる2015年度の飾り付け。そして7月1日を静かに待つ事になります。